小脳神経回路網構築におけるニューロステロイドのオーガナイジング作用に関する研究
Project/Area Number |
01J08930
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂本 浩隆 広島大学, 総合科学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ニューロステロイド / 小脳プルキンエ細胞 / エストロゲン / アロマターゼ / エストロゲン受容体β / 樹状突起伸長 / 樹状突起スパイン形成 / オーガナイジング作用 |
Research Abstract |
新生期の小脳プルキンエ細胞が活発に合成するニューロステロイドであるプロゲステロンは、プルキンエ細胞に存在する核受容体を介したゲノミック作用により、プルキンエ細胞の樹状突起の伸長・スパイン形成・シナプス形成などを誘導することを明らかにした(平成13年度報告)。これらのプロゲステロンのオーガナイジング作用により、新生期に成される小脳神経回路網の構築が導かれるものと考えられる。 一方、プロゲステロンと同様に、末梢内分泌腺が合成する代表的な性ステロイドであるエストラジオールの受容体(ERβ)がラット小脳プルキンエ細胞に発現していることが最近報告された。このことから、エストロゲンが小脳神経回路網構築に関与している可能性がある。そこで本研究では、代表的なエストロゲンであるエストラジオールを新生期ラットの小脳に曝露させ、小脳プルキンエ細胞の発達過程に及ぼすエストロゲンの影響を形態学的に解析した。その結果、ラット小脳においてエストラジオールには、新生期のプルキンエ細胞が合成するニューロステロイドであるプロゲステロンと同様に、プルキンエ細胞の発達を促進させる作用があることがわかった。さらに、小脳におけるエストロゲンの合成を確認するため、男性ホルモンであるテストステロンから直接、女性ホルモンであるエストラジオールを合成する酵素である芳香化酵素(アロマターゼ)の小脳における発現を解析した。その結果、新生期のラット小脳ではアロマターゼの発現が高まることから、新生期のラット小脳では独自にエストロゲンが活発に合成されていることが示唆された。以上の研究により、新生期の小脳では、ニューロステロイドであるプロゲステロン同様、エストロゲンにも小脳神経回路網構築の促進作用があるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)