2次元超高速非線形分光法の開発と分子集合体励起子ダイナミックスへの応用
Project/Area Number |
01J09218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 薫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 赤外パルス光 / 非線形分光 / 3パルスフォトンエコー / 過渡回折格子法 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に得られたFe(CN)_6^<4->のCN伸縮振動を対象としたフォトンエコーの実験データの解析を行い、これらの研究成果を論文にまとめ、国際学会、国内学会で発表した。Fe(CN)_6^<4->のCN伸縮振動のうち、赤外活性のモードは分子の対称性から3重に縮退しており、それぞれの振動方向は互いに直交している。まず、過渡回折格子法により、D_2OやH_2O中のFe(CN)_6^<4->のCN伸縮振動を励起した場合の振動エネルギー緩和過程を検討した。振動励起状態の寿命はD_2O中で23ps、H_2O中で3.7psであり、顕著な溶媒の同位体効果が見られた。これは振動エネルギー緩和過程において、溶媒へのエネルギー移動過程が大きく寄与していると考えられる。一方、フォトンエコーの実験結果の解析から、D_2OやH_2O中での溶媒和過程が1.4-1.5psの時間スケールで起こっていることを示し、同位体効果は小さいことを見出した。N_3-やSCN-の反対称伸縮振動を励起した場合と比較したとき、時定数には大きな違いが見られなかったことから、溶媒和ダイナミクスにおける溶質の振動モードの性質の影響は小さいと考えられる。メタノール中のOCN^-やSCN^-の反対称伸縮振動についての実験結果と総合して、振動の遷移エネルギーの揺らぎの時定数は溶媒のみで決まり、溶質の振動モードの性質にそれほど依存しないという結論を得た。 さらに赤外光源の安定性を向上するため、波長可変のパルス光を発生させる光パラメトリック発生、増幅器の構築、改良を行い、揺らぎが1%以下の安定性をもつ赤外パルス光の発生に成功した。これにより、過渡吸収などのヘテロダイン検出の信号測定が可能になった。現在は、測定系の構築を進めているところである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)