飛騨外縁帯古生界の層序およびオルドビス紀〜デボン紀放散虫の分類・化石層序
Project/Area Number |
01J09575
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
栗原 敏之 筑波大学, 地球科学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 古生代 / 放散虫 / 飛騨外縁帯 / 化石層序 / オルドビス紀 / シルル紀 / デボン紀 / 系統分類 |
Research Abstract |
本研究は,西南日本内帯の飛騨外縁帯を対象として,(1)オルドビス紀〜デボン紀放散虫化石層序の確立とその高精度化,(2)古生界の層序の確立,(3)形成過程の解明,(4)オルドビス紀〜デボン紀放散虫の系統分類,を目的とするものである.前年度は(1),(2)および(4)に関する基礎的なデータを収集したので,今年度はこれらを基に化石層序の高精度化と飛騨外縁帯の形成過程を考察し,その一部の内容について論文を執筆した. 化石層序の高精度化については,前年の検討で福地-一重ヶ根地域と伊勢地域のシルル・デボン系において幾つかの放散虫群集を識別していたが,これらの群集を基に最下部シルル系H.tegimentum-S.excelsa群集帯から下部デボン系P.intermedia-P.igoi群集帯まで9つに分帯した.この成果についてIPC-2002(2002年7月シドニー)にて公表した. また,飛騨外縁帯の形成過程について,前年の検討で主要5地域の層序を把握したが,その構成要素が最も典型的に見られる地域として西部の伊勢地域を取り上げ考察した.これを日本地質学会学会誌に投稿した(飛騨外縁帯九頭竜湖-伊勢川上流地域における中部古生界の層序と地質年代).同論文では,放散虫化石による詳細な時代検討を行い,同時代の浅海域の炭酸塩岩と深海域の低密度流堆積物が普遍的に存在していることを明らかにした.これらは同時異相関係で,その堆積場は未成熟な海洋性島弧縁辺と推定される.同論文で扱ったのはシルル〜デボン系であるが,こうした現象は古生界全体に見られるものである.飛騨外縁帯は非常に複雑な地質構造を持った地質体であるため,これまでその形成史は明らかになっていない.しかし,本研究によって,分化した堆積盆で形成された様々な岩相の構成層が精造運動を経て接することにより現在のような複雑な地質体が形成された可能性があることが初めて示された.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)