Project/Area Number |
01J09823
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 史郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 植物-送粉者系 / 海洋島 / 雌雄異株性 / ハナバチ |
Research Abstract |
植物の雌雄異株性は、自家受粉率の上昇に伴う両性株適応度の低下によって進化するが、この進化は海洋島で特に頻繁に起きた。それでは海洋島で自家受粉率の上昇をもたらした要因は何だろうか。海洋島のハナバチは小型で移動性が低い。このため同一植物個体の花の間での自家受粉(隣花受粉)が促進されるのではないかと考えている。この仮説を検証することが本研究の目的である。平成13年度までに、大型ハナバチよりも小型ハナバチのほうが隣花受粉率が高いことを明らかにした。 平成14年度の研究実績は以下の通りである。 1.小型ハナバチの内でも海洋島に優占するチビムカシハナバチにおいて、特に隣花受粉率が高いのか。この問題を解決するために、トベラですでに確立した方法を用いハマナデシコとイタドリを材料にしてチビムカシハナバチとその他のハナバチの隣花受粉率を比較した。野外でのデータ収集は終了し、現在はデータの解析を進めている。 2.自家受粉率の上昇に対する適応進化としては、雌雄異株性以外の自家受粉回避機構も考えられるが、そのような機構が特に海洋島で進化しているという報告はこれまでなかった。今年度に調査したハナミョウガ属の植物は、雌雄異熟二型という自家受粉回避機構を持つが、海洋島である八丈島では逆にその機構が失われていることが判明した。この一見矛盾するパターンは花粉制約の違いで説明できるという仮説を提唱した。この内容について日本生態学会(3月、つくば)で発表し、平成15年度の野外調査で仮説を検証する。 3.平成13年度に明らかにした、小型ハナバチと大型ハナバチの隣花受粉率の違いに関しては、国際学術誌への投稿原稿を改訂中である。
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