シリコン結晶成長の計算機シミュレーション:欠陥の形成・消滅過程の解析
Project/Area Number |
01J10086
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西平 健 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 半導体 / シリコン / 結晶成長 / grown-in欠陥 / 点欠陥 / 遷移層 / 分子動力学法 / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は大規模な融液Siからの結晶成長シミュレーションを行い、成長条件に対する導入点欠陥種の依存性について主に解析した。その結果と前年度までの知見を併せ、実験(V/G則)とのより直接的な対応を試みた。計算に供した系は原子数約11万個で、最長6nsに渡り原子の軌跡を追跡した。結晶の成長条件は、温度勾配Gが10^2〜10^8K/mm、引き上げ速度Vが0(結晶を引き上げない)、および10^0〜10^8mm/minとした。 結晶を引き上げない(V=0)場合、全てのGにおいてInterstitialが優勢となり、Si固/液界面は本質的にInterstitialが多いということが示唆された。またGを一定にしてVを大きくしていくと、Vacancyの形成数が増加していった。この傾向は実験(V/G則)と一致している。しかし冷却速度VGが10^<12>K/minまで大きくなると、急な結晶成長によって界面5員環の取り込みが起こり、再びInterstitialが多くなった。一方でV/G則におけるG依存性は再現できなかった。これは現実より遙かに大きな冷却速度によって、Gの影響が隠されてしまったためと考えられる。また、固/液界面の形状変化と欠陥形成とを詳細に解析した結果、Vacancyは結晶が再融解し、かつ固/液界面形状が大きく変化している時に形成されやすいということが分かった。結晶成長途中、系はミクロには凝固と再融解を繰り返しているが、その相対的な持続時間の差が優勢な点欠陥種に影響していると考えられる。 また欠陥形成に間接的に影響を与える因子として、固/液界面近傍に存在する遷移層の温度勾配依存性などを解析した。その結果、遷移層は原子の非平衡拡散係数として現れ、およそ10Åの厚みを持つことが分かった。これは高分解能電子顕微鏡によって確認されているSi固/液界面のコントラスト異常の厚さとほぼ一致している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)