Project/Area Number |
01J10369
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深港 豪 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 蛍光スイッチング / 単結晶 / 分子間相互作用 / 時間分解ラマン分光 / 単一分子 / エネルギー移動 / 光メモリ / 高速時間分解分光 |
Research Abstract |
開環体の状態ではπ共役がつながっており閉環体の状態になるとπ共役が切れるビス(2-チエニル)エテン骨格をもつ1,2-ビス(3-メチル-2-チエニル)ペルフルオロシクロペンテンを合成し、そのフォトクロミズムと蛍光特性を検討した。この分子は蛍光励起スペクトルが顕著な濃度依存性を示し、高濃度条件下では長波長域に新たな吸収帯が観測された。この吸収帯を励起すると長寿命かつ長波長側に蛍光極大を示す蛍光が観測され、フォトクロミズムは観測されなかった。一方、短波長域(250〜330nm)の吸収帯を光励起すると、蛍光と閉環体の生成が同時に起こることが認められた。更に、結晶状態においても溶液状態と同様に、そのフォトクロミズムと蛍光特性に波長依存性が見出された。単結晶X線構造解析と偏光蛍光測定により、高濃度溶液において生成する分子間相互作用がチオフェン環同士の平面的なスタッキングによるものであることが示唆された。本研究成果はJ.Phys.Chem.B,107,8372(2003)に掲載された。 溶液中におけるジアリールエテンのフォトクロミック反応の構造変化と余剰エネルギーの散逸過程を調べることを目的として、ピコ秒時間分解ラマン分光法を用いて研究を行った。開環型から閉環型への光反応のピコ秒ダイナミックスを検討した結果、周囲の環境との摩擦にあまり依存せずに、4ps以内で開環型から閉環型への構造変化が起きていることが明らかとなった。次に、閉環型から開環型への光反応のピコ秒ダイナミクスを検討した。アンチストークスラマン強度の立ち上がりから、アセトニトリル中における開環反応が4ps以下で進行し、強度の減衰から、準安定状態として開環型の振動励起状態が生成し、その緩和過程が5-10psであることが明らかとなった。本研究成果はJ.Phys.Chem.A,107,5384(2003)に掲載された。
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