Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度までにArthromces ramosus peroxidase(ARP)の大腸菌による発現系を構築し、大腸菌によりARPのポリペプチドは封入体として生成されること、さらにin vitroでの巻き戻しについて検討を行った。しかしながら、ARPはその構造中に4つのジスルフィド結合を有することからグルタチオンを用いた巻き戻しを検討したところ、高pH側で巻き戻しの効率が上昇することが明らかとなったものの、同時に高pH条件ではARPそのものが不安定であるため、全体では1%程度の巻き戻し効率しか得られなかった。このため、今年度はメタノール資化性酵母pichia pastorisでの発現系の構築を試みた。ARP cDNAを導入した菌体外への発現シグナルを有するベクターを構築し、pichia pastorisへと導入した。培養24時間後にメタノールにて発現を誘導したところARP群が確認された。さらに、ARPの活性発現に必須であるヘムの前駆体であるアミノレブリン酸およびFe^<2+>の添加により、活性型タンパク質の発現が促進されることが明らかとなった。現在、過酸化水素との反応に重要であるとされているアルギニン残基変異体の解析を行うべく変異体の発現・解析を行っている。