剛直な炭素骨格を持つスピロ型不斉配位子の合成と不斉触媒反応の開拓に関する研究
Project/Area Number |
01J10738
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
筒井 英之 北海道大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 不斉触媒反応 / スピロ骨格 / ホスファイト配位子 / キラルロジウム(II)錯体 / ヒドロホルミル化反応 |
Research Abstract |
剛直なスピロ骨格を基本構造とする配位子を用いた不斉触媒反応の開発を行っている.昨年度までにロジウム(II)錯体を用いた不斉二重C-H挿入反応を鍵反応とする光学活性1,1'-スピロビインダン-2,2'-ジオールの簡便な合成法を確立した.当研究室では既に本スピロ化合物のホスファイト誘導体を配位子としたPd錯体が不斉アリル位置換反応において最高で化学収率94%,不斉収率97%を与える有効な触媒であることを見い出している.そこで今年度は本ホスファイト誘導体のさらなる有用性を見い出すため,不斉ヒドロホルミル化反応への適用を検討した.Rh(acac)(CO)_2存在下25atmのH_2/CO混合ガス中,芳香族ビニル化合物のヒドロホルミル化反応を行ったところ高収率で反応が進行した.不斉収率は最高で56%と中程度ではあったが,90%以上の高い位置選択性が得られた.現在は配位子の修飾としてインダン環の3,3'位への置換基の導入を検討している.これによりホスファイトの配座がさらに規制され不斉収率の向上が期待される.同時に不斉Pauson-Khand反応への適用も検討中である. また,高いエナンチオ選択性が得られる不斉アリル位置換反応における立体制御機構の解明を目的としπ-アリルパラジウム中間体の構造解析を行った.検討の結果,ホスファイト配位子とパラジウムの錯体を六フッ化リン塩とすることで単結晶として得ることに成功した.X線結晶構造解析により当初予想していた通り,硬直なスピロビインダン骨格が自由度の大きいホスファイトの配座を制御し有効な不斉空間を構築していることを明らかにした.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)