高等植物における硫黄同化系の制御機構の解明と環境修復植物作製への応用
Project/Area Number |
01J11052
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野口 元子 (粟津原 元子) 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 硫黄同化系 / シロイヌナズナ / 環境ストレス / 形質転換植物 / 変異株 / メタボロミクス(メタボローム) |
Research Abstract |
植物の含硫化合物は、環境ストレス耐性に関わる重要な因子であることが知られている。本研究では、様々なストレス条件下での硫黄代謝の制御機構を明らかにすることを目指して研究を行ない、以下の成果を得た。 1,植物は栄養状態や環境条件の変化に応じて遺伝子発現や代謝物含量を変化させ、硫黄同化系を制御していると考えられている。昨年度までに、硫黄同化系の制御様式を明らかにするために、様々な環境ストレス条件下で生育させたシロイヌナズナ野生型株の葉と根について、HPLC及びキャピラリー電気泳動を用いて、硫黄代謝関連化合物の解析を行ってきた。本年度は、環境条件の変化に応じた代謝の変化をさらに詳細に検討するために、GC-MSによる網羅的な代謝産物の比較を行った。はじめに、GC-MSによる代謝物の測定方法を確立し、シロイヌナズナにおいて200以上の水溶性の代謝物のピークを検出した。そのうちの一部のピークについては、データベースおよび標準品との比較から代謝物を同定した。次に、栄養欠乏ストレス条件下で生育させた植物体中の代謝産物をGC-MSを用いて測定し、主成分分析により解析した。その結果、栄養条件の違いによる代謝物の蓄積パターンの違いに比べ、植物体の器官による代謝物の蓄積のパターンの違いの方が顕著であること、いずれの部位においても、窒素欠乏の方が硫黄欠乏と比較して代謝物全体の蓄積量に与える影響が大きいことが明らかとなった。 2,硫黄代謝の制御要因を明らかにするため、シロイヌナズナのアクティベーションタグラインから、X線マイクロアナライザーを用いて、硫黄元素蓄積量が変化した変異株の単離を行った。この方法では、硫黄と同時に、リン、カルシウム、カリウムおよぶ塩素も検出できるので、これらの元素の蓄積量の変化したラインの選抜も行った。約8000ラインについて1次および2次スクリーニングを行い、複数の候補ラインが得られた。これらの変異株の解析により、各元素の代謝機構に関する有用な知見が得られるものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)