バイオモジュレーターとしてのポリアミンの生理的意義―その分子レベルでの解析
Project/Area Number |
01J11083
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 円 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ポリアミン / 大腸菌 / タンパク質合成 / RNAポリメラーゼσサブユニット / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
ポリアミン(スペルミン、スペルミジン、プトレスシン)は細胞増殖・分化に関与していると言われているが、分子レベルで詳細な解析はあまり進んでいない。これまで、申請者らは、ポリアミンの細胞増殖効果は翻訳レベルで起こっていると考え、ポリアミンの細胞増殖促進機構についてタンパク質合成調節機序の面から研究を行ってきた。バイオモジュレーターとしてのポリアミンの生理的機能を明らかにするため、申請者らはポリアミンによって翻訳レベルで発現調節される遺伝子群をポリアミンモジュロンと定義し、その同定を進めている。その結果、ポリアミン要求性大腸菌を用いてオリゴペプチド結合蛋白質OppA、アデニル酸シクラーゼCya、RNAポリメラーゼσ^<38>サブユニットを同定し、特定RNAとポリアミンとの相互作用に基づく翻訳レベルでの発現調節機構について明らかにしてきた。 ポリアミンによる細胞増殖促進に伴う特定mRNA発現量の変化を明らかにするため、DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。その結果、ポリアミン存在下で発現量が多い遺伝子にσ^<38>依存のプロモーターを持つ遺伝子群、σ^<28>依存のプロモーターを持つ遺伝子群があった。これは、ポリアミンにより翻訳レベルでσ^<38>とCya合成が促進され、それらに依存する遺伝子の発現が転写レベルで促進されたことを示している。また、ポリアミン存在下で発現量が多い遺伝子として解糖系、TCA回路、FecI依存のプロモーターを持つ遺伝子群などを新たに同定した。FecIは鉄輸送系の遺伝子群の発現に必須なRNAポリメラーゼσ^<18>サブユニットである。ポリアミンによるFecI依存のプロモーターを持つ遺伝子群の発現促進機序は、FecIを翻訳レベルでポリアミンが合成促進するためであることを明らかにした。現在、ポリアミンによる解糖系及びTCA回路の遺伝子発現調節機序について解析を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)