Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
1.相互作用のある1次元電子系における低エネルギー励起では,スピンと電荷の素励起の速度が異なることが知られており,これをスピンと電荷の分離と呼ぶ.この分離が最も典型的に現れるモデルとして,1/r^2型相互作用を持つ超対称t-Jモデルがある.我々は,このモデルにおける動的スピン構造因子S(q,ω)の解析的な表式(絶対零度)を出すことに成功した.結果として,運動量が小さく低エネルギーの領域では,スピンと電荷の強い分離が現れる(S(q,ω)の値が電子密度に依存しない)一方,運動量が大きく高エネルギーの領域では,S(q,ω)を構成する素励起として,スピンと電荷が再結合した電子が含まれるという解釈ができることがわかった. 2.電子が動き回るときの強磁性は遍歴強磁性と呼ばれ,現在でも盛んに研究されている.遍歴強磁性の問題は,電荷自由度とスピン自由度が絡み合っており,電子相関が本質となっている.電子相関を議論する際に重要な要素の一つが空間次元である.特に2次元電子系は,高温超伝導や,強磁場下では分数量子ホール効果という,特異な現象が起こることが知られているため,2次元平面での強磁性の可能性やその機構について調べることは興味深い.我々は,2次元正方格子に垂直な一様磁束を持つハバードモデルにおいて無限大相互作用の極限を考え,電子密度とプラケットあたりの磁束をパラメータとして,強磁性が現れる領域について調べた.モデルにゼーマン項を含めないので,強磁性が実現するかどうかは非自明な問題となる.有限サイズで数値的厳密対角化を用いて,基底状態の全スピンを計算した.電子のスピンは1/2であるため,全スピンが電子数の半分になっていれば完全強磁性であると言える.結果として,予想外に広いパラメータ領域で,完全強磁性が出現することがわかった.現在,完全強磁性が出現する起源について考察中である.
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