二量化の制御に基づくテトラチアペンタレン系有機伝導体の開発と物性
Project/Area Number |
01J11257
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
圷 あかね 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 有機伝導体 / 電荷移動錯体 / 有機超伝導 / X線構造解析 / テトラチアペンタレン / 電気伝導 / テトラチアフルバレン |
Research Abstract |
有機伝導体を構成する電子供与体分子としてテトラチアフルバレン(TTF)分子は、ほとんどの有機超伝導体の構成成分になる重要な分子である。TTFを拡張した新規電子供与体を開発する試みとして、TTFを2分子縮合させたテトラチアペンタレン(TTP)と呼ばれる分子で多数の高伝導の伝導体が得られているが、本研究ではTTPの二量化の制御によって伝導性を制御しようとする発想に基づいて、以下のような伝導体の開発と、その構造の解明を行なった。 (1)片側にセレノメチル置換基を有し、かつセレン置換体1,3-ジセレノール環とし、反対側にエチレンジチオ基を持つTTP分子を用いて電荷移動塩を作成し、CCD検出器を用いたX線回折計を用いることによって、これまでに6種類の塩の結晶構造を決定した。また、片側にメチルチオ基を有し、反対側無置換のTTPの過塩素酸塩の構造を決定し、歪んだθ型構造と呼べる新しいタイプの構造を明らかにした。 (2)TTF3分子を縮合させたTTPY分子と呼ばれる分子において、側鎖の炭素数が2〜5のものについて系統的にヨウ素ドープしたときの伝導性を調べた。これらのTTPY系ドナーでは、従来のTTFはもちろん、TTPとも異なり、オーバードープが容易に起こっていったん向上した伝導度が再び低下する、という現象が一般的に見られた。またこれらの熱起電力が液体ヘリウム温度まで金属的にふるまうことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)