Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
森林流出水の水質と植生の関係に着目したリモートセンシングの技術を用いた水道水源林の管理手法を提案することが本研究の目標である。水道水源林の状態は,流出水量の安定した供給や良好な水質の生産の程度を左右する。よって,目標の達成には水道水源林全域の流出水の特性と状態を把握することが不可欠である。そこで,昨年度は主に水質と土地被覆の関係を検討した。本年度は,現地調査を継続することによって水道水源林の広範囲にわたる渓流の水における同様の検討に加え,水質の季節変動および形成要因についても検討した。なお,リモートセンシングの技術を用いた水道水源林の管理手法の具体的な提案は今後の課題として残った。 以下に,得られた結果である。 1.対象地における渓流の水質は,季節変動がほとんど見られなかった。このことは,無降雨時の水試料とした渓流の水の水質組成は年間を通じてほぼ一定値を示すことから,水試料の採水月の異なった検体間においても水質の比較ができることを意味する。 2.研究対象域の地質図より認められた地質は3種類である。水道水源林の広範囲にわたる渓流の水の水質組成を化学的に分析した結果,渓流の水は位置する各地質で集合するが,ばらつきが大きい。このことは,対象とする水道水源林の渓流の水は,岩石との接触が十分にされていないことを示す。つまり、水の起源は降水によるもので,水の貯留時間が比較的短く地下水の流出が少量であることを示し,また,水質は森林土壌を反映していることが示唆された。 3.研究対象の水道水源林における渓流の水質は,森林土壌を反映していることが示唆されたことから,水質の化学的分類方法を用いて林地について検討することが可能と考えられた。つまり,地質を一定とした上で隣接する渓流の水質から測定された林地からの流出物質を定量化することにより,その上部に位置する林種の推定が可能と考えられた。
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