ゼブラフィッシュ分子遺伝学を用いた神経回路網形成及び脳高次機能の解析
Project/Area Number |
01J60019
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 知之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 神経終末成熟 / 嗅神経 / Aキナーゼ / カルシニューリン |
Research Abstract |
シナプス形成に伴って、軸索終末は神経伝達物質放出装置を備えた前シナプスへと分化する。軸索終末の成熟、分化の調節機構を明らかにするために、ゼブラフィッシュ嗅神経細胞軸索終末の成熟過程におけるカルシニューリンとAキナーゼシグナルの役割について解析した。これらの分子の遺伝子導入を行わない嗅神経軸索の軸索終末は軸索が伸長している受精後36時間と嗅球内の標的近傍で伸長をとめた直後の60時間には多くの突起を出した複雑な形態を示した。ところが嗅球上に糸球体構造が明確に形成される受精後84時間になると軸索終末の形態は突起が少ない簡単な構造へと変化した。また、嗅神経軸索終末におけるシナプス小胞の集積は受精後36、60、84時間と徐々に増加した。恒常活性型カルシニューリンを嗅神経細胞に発現させると軸索終末の形態は受精後60時間ですでに突起の少ない簡単な構造へと変化することが分かった。またカルシニューリン阻害薬であるシクロスポリンAが受精後60時間から84時間にかけて起こる軸索終末の構造変化を妨げることが分かった。一方、恒常活性化型Aキナーゼを発現させた軸索終末は受精後36時間と60時間においてより複雑な構造をとるが、84時間には単純な構造へと変化した。恒常活性型Aキナーゼは受精後36時間において嗅神経軸索終末のシナプス小胞の軸索終末への集積を促進した。さらに恒常不活性型Aキナーゼは60時間、84時間において小胞の軸索終末への集積を抑制した。一方、カルシニューリンはシナプス小胞の集積には影響しなかった。これらのことからカルシニューリンシグナルは軸索終末の形態の成熟を制御し、Aキナーゼシグナルは終末におけるシナプス小胞の成熟を制御することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)