Project/Area Number |
01J84101
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
室 裕司 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 希土類化合物 / 重い電子系 / 弱強磁性 / 熱膨張 / 価数揺動 / 熱電変換 / 熱電能 / 熱伝導度 / 熱電物性 |
Research Abstract |
重い電子系弱強磁性体YbRhSbの発見及び弱強磁性転移に対する磁場と圧力の効果 Ce三元化合物CeRhSbは、近藤半導体として知られており、また20Kで70μV/Kという巨大熱電能を示すことから、熱電変換物質の有力な候補の1つと考えられている。従って、Ceと電子-正孔対称性をもつYb化合物においても巨大熱電能が期待された。そこで今回全く未知であったYbRhSbの合成を試み、単結晶試料の作製に成功した。結晶構造はCeRhSbと同じで、磁化率、比熱などの測定からYbRhSbは新しい重い電子系化合物であることを明らかにした。さらに、転移温度Tc=2.8Kで強磁性転移を示し、その残留磁気モーメントは0.004μ_Bと重い電子系強磁性体の中で最も小さい値を示す。さらに、磁化率及び比熱の磁場依存性を測定することにより、1T以上の磁場では磁化率に強磁性的な振る舞いは消失し、Tcでピークを示すようになり、Tcは磁場の増大と共に減少することを見出した。これらは反強磁性秩序に特徴的な振る舞いなので、YbRhSbの弱強磁性は、反強磁性的に整列した磁気モーメントが結晶の主軸から僅かに傾く、いわゆる傾角反強磁性によって引き起こされていることを明らかにした。またモーメントが傾く理由について、同じ結晶構造を有する重い電子系強磁性体YbNiSpとの比較から、結晶場による磁気異方性が重要であることを指摘した。 新化合物YbGaGeの単結晶育成と、価数揺動による零熱膨張の検証 YbGaGeはSalvador等によって(Nature 425(2003)pp.702-705)、価数揺動によって300Kから100Kまで体積熱膨張係数が零となる初めての化合物として報告され、磁性と応用の面から注目されている。今回YbGaGeの純良単結晶の育成に成功し、これを用いた磁性と熱物性の研究を行った。測定に用いた試料について電子線プローブミクロ分析器でその組成比を調べたところ、得られた単結晶試料はYbGa_<1.03>Ge_<0.97>という組成比であった。4.2Kから500Kまでの広い範囲で測定した磁化率、電気抵抗、熱電能のいずれにおいても、全測定温度領域で価数揺動に特徴的な振る舞いは観測されなかった。つまり、YbイオンはYb^<2+>で安定に存在しているという、Salvador等の報告と全く異なる結果が得られた。さらに、粉末X線回折及び歪みゲージによる測定の双方で、YbGaGeが降温と共に収縮する、つまり零熱膨張を示さないと言うことがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)