Project/Area Number |
02151027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝, 主任研究員 (00124785)
松島 曜子 国立がんセンター, 分子腫瘍, 研究員 (50172044)
安本 茂 神奈川がんセンター, 分子腫瘍, 室長 (00112342)
石橋 正英 愛知がんセンター, ウイルス部, 部長 (70029776)
藤永 〓 札幌医科大学, がん研究所, 教授 (10045338)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥17,500,000 (Direct Cost: ¥17,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥17,500,000 (Direct Cost: ¥17,500,000)
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Keywords | ヒトパピロ-マウイルス / E6遺伝子 / E7遺伝子 / がん抑制遺伝子 / p53 / Rbタンパク / cーFos / cーJun |
Research Abstract |
ヒトパピロ-マウイルス(HPV)の発がん遺伝子産物、E6,E7タンパクにがん抑制遺伝子産物p53及びRbタンパクの結合する事が確認された。E7タンパクには非リン酸化型が特異的に結合するが13番目のロイシンをセリンに変えるとこの特異性がなくなった。E6タンパクがp53に結合すると急速にp53の分解が起こると報告されているが、ラット3Y1細胞を用いた場合、E6の有無に拘わらずp53の量には殆ど変化なかった。これが何を意味するか検討中である。皮膚型のHPVで強発がん能を持つもの(5,8,47型)のE6タンパクは3Y1細胞を形態的にトランスフォ-ムしたが、弱発がん性のもの(14,20,21,25型)ではその活性が弱かった。興味深いことに、性器型HPV(16型等)のE7タンパクには強いトランスフォ-ム能があるのに、同じく発がん性でありながら皮膚型HPVのE7には全くその活性が見られなかった。EGFはHPV16のE6/E7mRNAの発現を転写レベルで抑制する事が観察され、それに必要な領域がウイルスDNAの制御領域内に同定された。 アデノウイルスE1Aによる転写活性化はATF部位に結合するCREーBP1を介して起こる事が判明した。アデノウイルスDNAの複製起点を含む断片に潜在的プロモ-タ-活性のある事が判明した。オクタマ-結合タンパクがSV40,BK,JC,HSVのDNA複製起点のATに富む配列に結合する事が見出され、複製制御の研究に新しい道が開かれた。 高度にリン酸化したcーFosはcーJunとの結合能が低下しており、cーFosのtransーrepressionとの関係が推測された。Rbタンパクに結合する195kDと70kDのタンパクが検出された。maf遺伝子産物が二量体を作る事が実験的に示された。組織特異的遺伝子発現に関与していると思われる転写因子PEBP3のα,β,両鎖のcDNAクロ-ニングが進んでいる。全体としてがん化と制御因子の関係の認識が深まった。
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