形質細胞腫/骨髄腫発生機構におけるインタ-ロイキン6とその受容体発現異常の解析
Project/Area Number |
02152069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 俊夫 大阪大学, 医学部, 教授 (40136718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
改正 恒康 大阪大学, 医学部, 助手 (60224325)
松田 正 大阪大学, 医学部, 助手 (20212219)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 形質細胞腫 / 多発性骨髄腫 / インタ-ロイキン / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
我々は、インタ-ロイキン6(ILー6)遺伝子の異常発現がミエロ-マ形質細胞腫の発生に重要な役割を果たしていることを報告してきた。 C57BL/6(B6)マウスを使用して、ヒトILー6遺伝子を構成的に発現するトランスジェニックマウス(B6Tg)を作成したところ、著明な形質細胞の増加を認めることを以前に報告した。しかしながら、これらの形質細胞は、同系マウスに移植できなかった。 今回、プリスティンの投与にて形質細胞腫が容易に発生するBALB/cマウスとB6Tgの交配実験を行なったところ、t(12;15)のクロモゾ-ム転座を伴い、かつヌ-ドマウスに移植可能な形質細胞腫が発生することが明らかとなった。又免疫グロブリン遺伝子は、モノクロ-ナルな再構成パタ-ンを示していた。以上の事実より、ILー6遺伝子の異常発現とcーmyc遺伝子等の癌遺伝子の異常発現により、形質細胞腫が発生することが明かとなった。 本研究によって、少なくともマウスにおいては、ILー6遺伝子の異常発現によって、最終的に、形質細胞腫が発生しうること、又このためには、他の癌遺伝子の異常発現が必要であることが明かとなった。ILー6は、ヒトのミエロ-マ/形質細胞腫の増殖因子であり、臨床的に癌が増加する時期には、これら患者血清中にILー6が増加することが知られている。これらの事実は、ILー6遺伝子の異常発現がヒトミエロ-マ/形質細胞腫の発生にも重要な役割を演じていることを示唆している。今後解明されなければならない重要な問題は、ミエロ-マ患者におけるILー6遺伝子の異常発現を誘導している分子機構の解明であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)