ヒト唾液腺癌細胞における筋上皮或いは腺房細胞に分化誘導する細胞性因子の産生と特性
Project/Area Number |
02152080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 英満 アプロサイエンス研究所, 所長
上野 明道 徳島大学, 歯学部, 助教授 (80136267)
由良 義明 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00136277)
梁川 哲雄 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40136263)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | ヒト唾液腺癌細胞 / 造腫瘍性ヒト唾液腺介在部導管上皮細胞 / 唾液腺筋上皮細胞 / 唾液腺腺房細胞 / 分化因子 / 分化因子遺伝子 / 分化誘導 |
Research Abstract |
1.唾液腺介在部導管上皮細胞の表現形質を保有し、ヌ-ドマウスに移植すると腺癌を発生するヒト唾液腺癌細胞(HSG)を5ーazacytidineで処理し、分化誘導された筋上皮細胞(HSGーAZA1)と腺房細胞(HSGーAZA3)より分化因子(AZA1及びAZA3)をコ-ドする遺伝子をクロ-ニングした。これらの分化因子遺伝子をHSG細胞に導入すると、それぞれ筋上皮細胞或いは腺房細胞の表現形質を獲得した細胞が誘導されることを明らかにした。2.AZA1及びAZA3因子をコ-ドするcDNAをT7RNAポリメラ-ゼ・プロモ-タ-系を用いて大腸菌で発現させ、それぞれの分化因子をDEAEセルロ-ズクロマトグラフィ-及び高速液体クロマトグラフィ-(TSKーGEL Gー3000SWカラム及びハイポア-RPー304 C_4逆相カラム)により精製し、それぞれの分化因子でHSG細胞を処理すると特異的に筋上皮細胞或いは腺房細胞に分化誘導された。更に、AZA1及びAZA3因子は既知の細胞分化に関与するサイトカイン(ILー1,ILー6,IFNーα,β,γ,TNF)とは異なることを示唆する研究結果を得た。3.HSG細胞の分化・増殖機構について研究する過程で、ヒト唾液腺癌細胞は神経細胞に変換されることを示唆する知見を得た。すなわち、HSG細胞をEGFで処理するとneuronーspecific enolase,neurofilaments,synaptophysinを発現し、更に神経突起様構造物の形成されることを明らかにした。また、ヒト耳下腺癌細胞においてジブチリルcAMPで処理すると神経細胞に分化誘導された。以上の研究結果より、ヒト唾液腺癌は神経外胚葉起源、例えば神経冠細胞由来であることが示唆される。それ故に、ヒト唾液腺癌はneuroendocrine tumorに近似した特性を保有している可能性がある。また、HSG細胞は筋上皮細胞、腺房細胞、角化扁平上皮細胞、軟骨細胞に加えて神経細胞にも分化誘導されることを従来の我々の研究より明らかにしたので、本研究システムはtransdifferetiationの機構を解析するための好適なモデルとなるものと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)