一軸性応力を加えた光散乱による水素結合型強誘電体の水素結合内部振動モ-ドの検出
Project/Area Number |
02640241
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
|
Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
山下 晴康 北海学園大学, 工学部, 助教授 (00042028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 信勝 北海学園大学, 工学部, 教授 (30001340)
笠原 勝 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (30001697)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 水素結合 / 強誘電体 / 相転移 / 応力 / 内部振動 / 光散乱 |
Research Abstract |
水素結合型強誘電体の代表物質として燐酸二水素カリウムKH_2PO_4に注目してその良質な単結晶を育成し,同時に光散乱用一軸性応力印加装置,高圧容器を設計製作し,温度環境変化,応力印加条件,幾何光学配置について試行し,ラマン散乱実験を容易に行えるように装置に改良を加えた。試料単結晶を調整後,簡単な試行実験を行い,装置に微少な修正を加え,本実験に移行した。以下で得られた結果を述べる。 静水高圧下で得られたラマン散乱スペクトルは,類似物質であるが反強誘電体である燐酸二水素アンモニウムNH_4H_2PO_4の同条件下でのスペクトルと比較すると顕著な差異はみられない。このことは相転移に果たす内部振動の役割の違いはこの条件下では明瞭には検出できないことを意味する。 一軸性応力を試料単結晶のC軸変向に印加した場合のスペクトルの振動数,強度に大きな変化は認められない。しかしB軸方向に応力を印加した場合には4本の内部振動スペクトルの内の1本の強度が応力と共にその強度が増大すること,また別の1本の内部振動のスペクトル近傍で且つその内部振動以外のスペクトルが新たに発生し,応力と共にその強度が増大することが観測された。試料についての光学配置からこれらの変化が観測されるのはA_1とB_1モ-ドである。すなわち一軸性応力条件下で観測される内部振動の様子は静水圧下のそれとは異なっている。印加応力が比較的小さいこと,またスペクトル周波数の変化がないことを考慮するとPO_4イオンの歪は小さいものと考えられ,従って観測されたスペクトルの強度変化はPO_4,Kなどのイオン間距離の変化によるイオン関相互作用の強さの変化にあるのではないかと考えられるが,さらに検討を要する。上記の研究結果は本年春の日本物理学会分科会で発表する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)