Project/Area Number |
02640337
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
相原 惇一 静岡大学, 理学部, 教授 (40001838)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 分子内電荷移動型化合物 / 電荷移動吸収帯 / AM1分子軌道法 / 電子状態 / 拡散反射スペクトル / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
電子供与体と電子受容体を直接化学結合でつないだ様々な分子を合成し、新たに次の2系列の分子群が、同種分子間で強い電荷移動相互作用を示す分子内電荷移動型化合物であることを見いだした。 まず、1ーアリ-ルー2ー(pーニトロフェニル)ー2ーシアノエチレン類(I)。フェニル、ナフチル、アントリル、ピレニル、アニシル、フェロセニルなど、14種類のアリ-ル基をもつ分子を合成し、その電子状態を調べたところ、溶液の第1吸収帯のエネルギ-が、対応するアリ-ル基が水素原子と結合した芳香族分子の垂直イオン化エネルギ-とよい直線関係にあり、しかもその傾きが他の典型的な分子内電荷移動型化合物のそれとほぼ等しいことから、Iのグル-プの化合物も分子内電荷移動型化合物であると認定した。AM1分子軌道計算もこの解釈を支持する。固体の拡散反射スペクトルから吸収スペクトルを求めたところ、これらの化合物の固体は溶体液よりも長波長に強い吸収帯を示し、同種分子間で電荷移動遷移を起こすことが分かった。大部分の化合物の溶液と固体は蛍光性である。固体の蛍光スペクトルが狭いバンド幅を持つことから、対応する分子間電荷移動遷移のバンドも狭いものと推定される。溶液スペクトルの濃度依存性はなく、溶液では二量体は形成しない。 次に、5ーアリ-ルメチレンヒダントイン類(II)。芳香族アルデヒドとヒダントインの脱水縮合による合成はかなり困難で、8種類のアリ-ル基を持つ分子しか合成できなかった。AM1の計算によると、ヒダントインの電子受容能は小さく、比較的大きなイオン化エネルギ-のアリ-ル基をもつ分子では分子内電荷移動型分子の特徴を示さなかったが、固相の吸収スペクトルが強い分子間相互作用を示すことなどより、IIのグル-プの化合物も分子内電荷移動型化合物と見なした。溶液での二量体形成は見られなかった。
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