リンパ本管における糖残基の3次元的分布と壁構成成分との関連性の考察
Project/Area Number |
02670005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 恒 名古屋大学, 医学部, 教授 (30019533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜生 邦弘 名古屋大学, 医学部, 助手 (90203611)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | レクチン組織化学 / 糖残基 / リンパ管 / 胸管 / 血管 / 動脈 / 静脈 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
近年、ある種の糖質に特異的に結合するレクチンの性質を利用し、組織内の糖残基の特徴が明らかにされてきた。その後、このレクチン組織化学は、脈管識別のためにも有用との報告がなされた。しかし、その反応は動物、臓器、組織等の種により異なることも判明している。そこで、我々は、脈管の識別のためには、対象となる動物種、その脈管の身体における部位、太さ、さらには壁構成要素とレクチンで示される糖質との関係を組織学レベルや、分子レベルで解明することが必要と考えた。本研究では、ラット顎胸部の主たるリンパ管、および動静脈を、局所解剖学的に同定した後に摘出、レクチン組織化学を適用し、その結果について比較検討を加え、各種脈管系に存在する糖残基の解明を試みた。 この部位にみられる、リンパ管、動静脈はいずれも、共通な結果として、WGA、ConA、DBAに対し強陽性反応を示した。脈管の種差を見ると、動脈では、外膜に、いずれの太さでも、WGA、ConA、DBAに対し陽性反応が認められた。中膜には、大動脈、内頚動脈などの太い管の場合、WGAに対してのみ陽性反応が認められたが、浅頚動脈より細い管では、用いたすべてのレクチンに対し陰性であった。内膜には、WGA、ConAに対して陽性反応が認められた。細動脈より細い脈管では、WGA、ConAに対し陽性反応が確認され、DBAに対しては陰性であった。静脈とリンパ管における反応様式は類似しており、共にWGA、ConA、DBAに対して陽性反応を示し、それらは、すべて外膜と中膜の筋層間でのみ確認された。リンパ管の弁はDBAに対し、微弱な陽性あるいは陰性反応を示した。また、胸管の壁内面にはWGAにのみ強陽性反応部位が認められた。これらの結果から、ラットの各種リンパ管、動静脈の壁構造内に分布する、プロテオグリカン、マンノ-スタイプおよびコンプレックスタイプ等の各種オリゴ糖の糖鎖の化学的性質と、局在について検討し、投稿論文の作成中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)