胸腺T細胞におけるT細胞受容体(TCR)の発現様式
Project/Area Number |
02670132
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 尚義 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90045732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 力弥 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40045779)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | T細胞受容体(TCR) / δTCS1 / βF1 / ωT31 / 胸腺Tリンパ球 / TーALL / TーLL |
Research Abstract |
末熟Tリンパ球におけるT細胞受容体(TCR)の発現過程を検索する目的で、TーALL(T細胞性急性リンパ性白血病)やTーLL(T細胞性リンパ芽球性リンパ腫)を主体とするT細胞性腫瘍につき、βF1、δTCS1、ωT31などの単クロ-ン抗体を用いて免疫組織化学的に検索を行なった。βF1は、TCRβ鎖、δTCS1はTCRδ鎖、ωT31はTCRαβ鎖をそれぞれ認識する抗体であるとされている。検索した症例はTーALL10例、TーLL10例、末梢性Tリンパ腫8例の合せて28例のリンパ腫と反応性リンパ節2例である。βF1による検索ではTーALL5例、TーLL4例、末梢性Tリンパ腫7例が陽性であった。δTCS1陽性例は無かった。ω31による検索ではTーLL1例と4例の末梢性Tリンパ腫が陽性であった。βF1が陽性であったTーALLおよびTーLL症例9例のうち、6例はCD1(OKT6)陽性であり、一方CD1陽性7例のうち6例がβF1陽性であった。従って我々はTCRβはCD1の発現が始まる胸腫Tリンパ球段階のT細胞とほぼ同じかややそれより未熟な段階のT細胞に発現されるものと推測した。我々の免疫電顕による検索ではβF1に対する陽性反応はTーALL、TーLL、末梢性Tリンパ腫および反応性Tリンパ球の胞体内にのみ認められ、細胞表面には認められなかった。一方ωT31に対する陽性反応は腫瘍性並びに反応性Tリンパ球の細胞膜に局在していた。末梢性Tリンパ腫の約半数のみがωT31陽性を示した。このことからTCRβ鎖はcommon thymocyteの段階で胞体内に発現され、common thymocyteのかなり後期の段階になってはじめてTCRのβが細胞膜表面に発現されると推測される。
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Report
(1 results)
Research Products
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