血清コリンエステラ-ゼ異常症の病態解析とcDNAクロ-ニング
Project/Area Number |
02671113
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
波田 寿一 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30116082)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | コリンエステラ-ゼ / Alu element / cDNAクロ-ニング |
Research Abstract |
血清cholinesterase(ChE)異常症(完全欠損例,痕跡程度にChE活性を有する例、正常者の10%程度の活性を持つ例の3種類)を見いだし、これらについてChE遺伝子の異常の有無について検討した。 (1)完全欠損症例:発端者は糖尿病にて入院し、肝機能検査にてたまたま血清ChE活性が0であることが判明した。この患者の末梢血リンパ球よりDNAを抽出し、EcoRIで処理した後、0.8%low meltingーpoint agarose gelを用いて、2.5ー3.0kbの範囲のDNAを切り出し、精製後、λgt10のEcoRI siteに組み込み、genomic DNA libraryを作製した。4×10^5クロ-ンのスクリ-ニングをおこなった結果、4コのpositive hybridzing cloneが得られた。そのうち1コのクロ-ンに関して詳細なrestriction mapを作製した所、cDNA上5'端から675塩基に位置するBamHI siteより0.4kb下流に約0.3kbのDNA断片が挿入されていることが判明したので、問題となる部位のsequenceをおこなった。その結果exon2で、cDNAでは5'側から1061塩基と1062塩基の間に相当する部位に342bpのAlu elementが挿入されている事が明かになった。又、本症例の家系調査で本異常症は家族性であることが明かになった。 (2)痕跡程度にChE活性を有する例:in vitroのChE活性測定では活性を検出出来ないが、polyacrylamide gradient gel電気泳動で僅かに活性帯を認めた例である。本例についても(1)と同様に解析をおこなつたがcoding regionにはmutation,deletion,insertion等の異常はなく、現在5'上流域の検索を行つているところである。 (3)正常者の10%程度のChE活性を持つ例:(1)と同様の解析を行い5'側から1093番目の塩基がC→Gにpoint mutationをしており、これはN端から365番目のアミノ酸がGly→Argへの変化に対応するものであつた。従つて、本症例はpoint mutationの為に高次構造に変化をきたしChE活性の低下を生じている可能性がある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)