Research Abstract |
50種有機色素,6種アミンによる不活化センダイウイルスの経鼻免疫効果をマウスの接触感染防御試験で調べ,全気道粘膜のウイルス特異坑原の検出による感染の有無と血清HI坑体価の変動を判定の目印とし,完全防御を誘出するワクチンを選出した 1.15arylmethane系色素中,auramine O,night blue,patent blue V,thymol blue,xylene cyanol FF;6xanthene系色素中,eosin Y,uranin;4quinone imine系色素中,neutral red;2acridine系色素中,acriflavineが強い防御効果を誘出したが,完全防御は得難く,大半は感染後の血清坑体価が倍以上に上昇変動した. 2.そこで,染色特性を異にする3色素群(14azo;6thiazole;3quinoline)による不活化ワクチンの該効果を調べた.amido black 10B,azo blue;primulin,thioflavine S,thioflavine T;Pinacyanol,quinaldine redの7種が完全防御,thiazine red R,titan yellowがそれに近い効果を示し,免疫による血清HI価の上昇変動は殆どなかった.この成績から“SUBSTANTIVITY"の強い色素,又はエチル基側鎖を持つ直鎖型塩基性色素が経鼻免疫効果の誘出に著効を発揮する事が分った. 3.最後に,非色素の有機陽イオン化合物ーアミンによる不活化ワクチンの該効果を調べた.spermine,spermidineはウイルスを不活化せず,cadaverine,putrescineワクチンは極く少数例に気道粘膜の感染を許した.しかし,低分子アミン(methylamine,ethylamine,ethanol amine,diaminopropane)不活化ワクチンは上下全気道粘膜の感染を完全に抑制した.これらの免疫による血清HI坑体価は同居感染実施後,倍以下の変動値に止まった.この低分子アミンの優れた効果は上記第2項目のthiazole系やquinoline系色素と同様にvirus coreのribose OHに対する選択的化学修飾による成果とみなした.更に,naphetol ASの効果,分泌抗体を検討する予定である.
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