WTO加盟後の中国東北地域における農業構造調整の展開方向-日本における地域農業再編方向との比較研究-
Project/Area Number |
02F00026
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
倉夲 器征 (2003) 東京農工大学, 農学部, 教授
倉本 器征 (2002) 東京農工大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 暁明 東京農工大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 畜産戦略 / 食糧の供給過剰 / 穀物需給関係 / 国際競争 / 龍頭企業 / 食糧の安全保障 / 価格競争力 / 直接競争 / ジャポニカ米戦略 / 緑色米 / 食糧過剰 / 国際競争力 / 良食味米の生産環境 / ブランド米 |
Research Abstract |
中国の東北地方では、WTO加盟の前後にトウモロコシ等食糧穀物の供給過剰が顕在化してきた。これまでトウモロコシは飼料用として他省に移出されてきたが、国際競争にさらされることになった。そこで黒竜江省では、省内の需要を高めるために畜産戦略(畜産振興)を重点施策に掲げている。 本研究では、近年急速な飼養拡大をみせる乳牛の動向と穀物需給関係及び牛乳・乳製品の販売戦略について実態調査を行い、現状と課題を明らかにした。 第1に、中国食糧の安全保障に対して重要な役割を果たしてきた東北地方では、1990年代後半以降の食糧過剰、食糧価格の低迷によって農家の収入が大幅に減少してきた。そのため、黒竜江省政府は、価格競争力のないトウモロコシを家畜飼料に転換し、畜産を発展させることによって、同地域経済の発展と農家の所得の向上を目指している。 第2に、WTOの加盟によって、中国の零細な農業経営者は国内市場・国際市場において、アメリカやカナダ等先進国の大規模生産農家と直接競争することになる。このことは小規模経営が多い中国の農家にとって、価格面において非常に不利な状況におかれることを意味する。黒竜江省は畜産を発展させるために、龍頭企業を育成している。この"龍頭企業+農家"の経営方式の導入によって、小規模的な経営農家の販売先を龍頭企業に集中させ、競争力を高める効果を持っている。 本研究の事例のように、"畜産戦略"の展開、"龍頭企業+農家"の連携を円滑に進展させることで、同省の家族経営と地域農業の発展が可能になる。そのことは、今後の中国における家族経営の発展に重要な示唆を与えていると言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)