Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
・昨年度に開発を行った,データスペースにおける3次元インヴァージョン手法(REBOCC法)に基づくコードを用いて,まず,データ数の少ない三宅島でのネットワークMT法観測データより,三宅島での2000年噴火直前の2000年5月における3次元比抵抗構造の推定を試みた.その結果,地下浅部1km以内の深さに島を取り囲むように低比抵抗領域が決定され,海水の島への浸透を見ていると解釈した.島の北側ほど,より低比抵抗であり,北部ほど多量の海水が浸透しているか,熱水などが存在している可能性がある.この比抵抗構造は,三宅島で観測された傾斜ステップに伴う地電位差変化を定量的に解釈するために必須のものであり,例えば,島の北側で上記地電位差変化が等電位的になることと比抵抗分布とは,調和的であった.地震学的観測から山頂直下3km以深にマグマだまりが存在する可能性が指摘されているが,それに対応する低比抵抗領域は決定されなかった.最終モデルのRMSは2.3であり,感度解析から,このRMSでは,マグマだまりの存在を議論するのに十分ではないことが明らかとなった.これは,浅部に非常に強い低比抵抗領域が存在することによる. ・ついで,同じコードを用い,2次元的に分布したデータを3次元で解析することをsyntheticデータを用いて行った.syntheticデータは3次元モデルに基づいて作成し,これにガウス誤差を加えたものを観測データとして,インピーダンステンソルの非対角成分のみを用いる従来の2次元解析結果とフルテンソルを用いる3次元解析結果との比較を行った.この結果,対角成分を用いることで,データの配列方向に直行する方向の構造変化がとらえられ,より正しい構造が決定できることが明らかとなった. ・列島スケールの大規模構造を決定することを目指し,北海道東部において行われたネットワークMT法観測データの整備,再解析をおこなった.
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