硬脆材料の極微細機械加工によるメゾスコピック機能表面創生
Project/Area Number |
02F00075
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
機械工作・生産工学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARAVINDAN Sivanandam 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 微細塑性加工 / 臨界押込み深さ / 無欠陥加工 / 硬脆材料 / ガラス / DNA / たんぱく質 / 化学的吸着性 |
Research Abstract |
近年、シリコンや水晶などを母材とし素材表面に微細構造を組み込んだ新しい機能材料やデバイスの開発が盛んに行われている。ところがこれらの材料の多くは硬脆材料であり、加工欠陥を防ぐためその加工方法はフォトリゾグラフィやスパッタリングなど化学的加工に限られている。そのため加工形状の自由度が低い、加工効率が悪いなどの問題があり、新機能材料の開発にとって大きな足枷となっている。そこで本研究では塑性加工など機械的な加工法により硬脆材料表面に極微細な三次元加工を施す方法を検討し、さらに微細加工による表面機能を創出することを目的とする。 本年度は微細押込み加工により様々な微細構造表面を作成し、それによる表面機能の開発を検討した。まず各種ダイヤモンド工具を開発した。ナイフエッジ工具(先端角60度)、ストラクチャ工具(1μm×1μm×1μmの突起)、ラインアンドスペース工具(1μm幅のライン)、ポイント工具である。これらの工具を用いてソーダガラス、耐熱ガラス、石英、シリコンウェーファ、水晶ウェーファに対する押込み加工実験を行った。その後レーザ顕微鏡、SEM、FIBなどを用い加工痕を観察し、これらの材料の微細加工特性および臨界押込み深さを明らかにした。 次に微細加工による表面機能の創生を検討するために、微細押込み加工したガラス表面のDNA吸着性を検討した。ナイフエッジ工具を用い種種の条件で微細加工したガラス表面にサケDNAおよび人工DNA溶液をスポットし、水で洗浄した後、蛍光X線分析により残留DNA量を定量的に測定した。その結果加工条件によりDNAの吸着量が変化することが明らかになった。DNA吸着量と加工により増大した表面積の関係を検討したところ、吸着量は表面積にほぼ比例するが、加工条件によっては表面積以上に吸着量が増大することが判った。これは微細加工により表面エネルギーが増大したための考えられる。 微細押込み加工を利用して微細表面構造の開発を試みた。ソーダガラス、純銅単結晶に微細押込み加工を行い、その表面に金または亜鉛を十分な厚さコーティングした。その後ポリッシングにより表面のコーティング層を除去し押込み部の金属を残すことで微細複合構造の作成を試みた。この結果一部作成に成功し、本手法が微細表面構造の開発に有効であることが判った。しかしコーティング法、ポリッシング法等に問題があることも判明し、さらなる改良が必要であることが判った。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)