Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
富栄養化に伴う異臭味原因物質の増加,農薬などの微量有機物による水源の汚染に加えて,クリプトスポリジウム(粒径3〜5μm)等の病原性原虫類による水道本の安全リスクが心配されている.クリプトスポリジウムのような耐塩素性原虫等の微粒子除去を目的とした処理方法として砂ろ過は十分ではない.UF膜やMF膜を用いた膜ろ過では除去できるが,ろ過圧力が大きく,運転コストやその設備費用等が大きい.本研究では,より分離孔径の大きい金属膜を用いた超高フラックス膜ろ過により原虫等の水中微粒子の除去を試みた. 木曽川を水源とする名古屋市鍋屋上野浄水場の敷地内に金属膜ろ過プラントを設置し,積層金属メッシュフィルター,金属不織布フィルター,および金属粉末焼結フィルターの3種類の金属膜を使用して選定実験を行った結果,金属粉末焼結フィルターろ過水のみに5μm以上の微粒子がカウントされなかったことから,クリプトスポリジウム除去を目的とした金属膜として最も有効であることが示された.さらに,4種類の異なるサイズの微粒子トレーサ(平均粒径1.2μm,2.0μm,3.2μm,5.0μm)を用いて金属粉末焼結フィルターの除去性能を調査した結果,1.2μm以上の粒径の除去率は99.9%(3log)以上,2.0μm以上の粒径の除去率は99.99%(4log)以上,3.2m以上および5.0μm以上の粒子の除去率は99.999%(5log)以上であった.このことから,今回の金属粉末焼結フィルターによるろ過装置は,実質的にクリプトスポリジウムのほぼ完全な除去を期待できる.
|