Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
純MgおよびAZ31(3mass%Al,1mass%Zn),AZ91(9mass%Al,1mass%Zn)マグネシウム合金を試料として用い,Mg(OH)_2,KOH, LiOH,およびNaOH溶液中において,各pHを調整し,直流電圧,処理時間・温度を変化させて,陽極酸化処理を行った.表面に形成される陽極酸化膜は,80Vの電圧が高い場合は酸化マグネシウムが,10V以下の低電圧の場合には水酸化マグネシウムであった.陽極酸化を行った後,各種水溶液中において封孔処理を行った.これらの手法で表面処理を施した試料を3mass%NaCl水溶液中において陽分極し孔食電位を測定し,耐食性を比較した.その結果,陽極酸化電位が低く,表面が水酸化マグネシウムで被覆されているもの程,耐食性に優れていた.陽極酸化水溶液は,温度が高く,pHが高いほど良い耐食性を示した.また,高pHのアルカリ水溶液中で封孔処理を長時間することにより,耐食性が向上することが明らかとなった. 一方,化成処理の研究においては,主に,鋳造用のAZ91合金を使用し,添加剤を含む25℃のコロイダルシリカ水溶液中に数十秒間浸して,化成被膜を得た.添加剤として,硫酸コバルト,硫酸チタンを含み,pH2の水溶液中で処理したものが耐食性が最も向上した.皮膜はコロイダルシリカが凝集したものであり,水酸化マグネシウムとの混合被膜であった.添加剤のチタンイオンはコロイダルシリカの表面電荷を正にする作用があり,コバルトイオンは基材のマグネシウム合金の表面反応に関与することが明らかとなった.これらの添加剤がないと耐食性のある化成膜は形成されなかった.また,処理液中に硝酸イオンが存在することが化成膜形成にとって必要であることがわかった.
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