Project/Area Number |
02F00136
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NYARKO Kofi Elvis 佐賀大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ポルフィリン / 金 / パラジウム / ラジカル / アフリカ眠り病 / 病原体 / 病原体の死滅 / DNA / DNA切断酵素 / 蛍光スペクトル / 燐光スペクトル / CDスペクトル / DNA切断反応の活性化 |
Research Abstract |
本研究は金属ポルフィリン錯体によるDNA切断酵素の活性化現象を解明し、その結果を「アフリカ睡眠病」の治療へと発展させることを目的とする。本年度は昨年度合成した金(III)-及びパラジウム(II)のテトラキス(1-メチルビリジニウム-4-イル)ポルフィリン(H_2TMPyP^<4+>)錯体およびそれらの金属イオンを用いて、主に久留米大学医学部で実験を実施した。 (1)パラジウムイオン(Pd^<2+>)やフリーベースポルフィリン(H_2TMPyP^<4+>)に比べてPd(TMPyP)^<4+>は「アフリカ眠り病の病原体」に対して強い毒性を示した。そのIC_<50>は以下の順序であった:1.5x10^<-6>M、6.1x10^<-6>M、1.9x10^<-5>M。 (2)一方Au(TMPyP)^<5+>とAu(III)はそれぞれ4.8x10^<-6>M、2.0x10^<-7>Mで病原体に対して効果的であった。 (3)ESRの測定結果、金イオン共存下ではラジカルが生成することが明らかとなった。 (4)Pd(TMPyP)^<4+>の効果は小さいけれども、Pd(TMPyP)^<4+>で処理した病原体には、分裂後、核が欠去した細胞や複数の核を持つ細胞が現れた。その結果核の細胞の分裂は抑えられ、24時間以内には死滅した。 (5)この様に、金属ポルフィリンはその中心金属イオンによって、病原体に対する作用が違う。 (6)金は金ポルフィリンより金イオンが、パラジウムはパラジウムイオンよりもパラジウムポルフィリン錯体が効果的であった。 (7)金イオンが効果的であることは予想外の発見である。 (8)前年度の結果と一緒にまとめると、水銀ポルフィリン錯体と金イオンが10^<-7>Mの濃度でも、「アフリカ眠り病」の病原体に対して効果的であった。 (9)その効果は、DNAのコンホーメーション変化の他に、ラジカル生成によって現れることが明らかになった。
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