イノシトール化学を基盤とした有用機能物質の精密設計・合成及び利用
Project/Area Number |
02F00170
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 裕 愛媛大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SURESHAN Kana M. 愛媛大学, 工学部, 外国人特別研究員
KANA M.Sureshan 愛媛大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | アロ-イノシトール / 合成 / 絶対立体配置 / ミオ-イノシトール / ケタール / ジケタール / 光学分割 / アセチルマンデル酸エステル / イノシトールリン脂質 / 超分子集積体 |
Research Abstract |
1)アセチルマンデル酸エステルによるイノシトール誘導体の光学分割: 昨年度のミオ-イノシトール-1,2:4,5-ジケタールの光学分割に続き、今回はオルソエステルの動力学的分割を検討し、これまでに比べ効率的にその光学活性体を得ることに成功した。 2)光学活性イノシトール誘導体の活用: 昨年度確立した方法で光学活性ジケタールを得、これを有用物質の合成に活用する計画を立て、次のような成果が得られた。 ・ミオ体のジケタールを求核置換反応でキロ体とアロ体に用意に変換できることが分かった。窒素求核剤によってアミノシクリトールへも誘導できた。後者は生物活性が期待されるので生化学者との共同研究を行うこととなった。 ・アロ体としては唯一の天然体として報告されていたブラホールの全合成を行ったところ、報告のものと構造が違うことが判明し、結果として、その報告は間違いであることを指摘した。 得られる光学活性イノシトールオルソエステルを用いて、リン酸化を行い、脱保護を行うことで、効率的なイノシトール4-リン酸の合成に成功した。 3)絶対立体配置決定法としてアセチルマンデル酸エステルの有用性の提唱: 光学活性アルコールの絶対立体配置を決定する手段として多くの方法が知られている。アセチルマンデル酸エステルとし、NMRによる解析から配置を決定する方法はこれまであまり注目されてこなかったが、既存の誘導体化試薬より安価で誘導もしやすく、NMRによる配置の判定がしやすいという多くの利点をもち、各種アルコールに適用できる事が明らかとなった。 4)イノシトール誘導体のいくつかが有機溶媒をゲル化することを見出した。今後これらの系統的研究により、有用ゲル化剤の創製とゲル化の基礎的性質の両面で興味ある結果が得られることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)