Project/Area Number |
02F00175
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高岸 徹 大阪府立大学, 大学院・大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHO Sungmi 大阪府立大学, 大学院・大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 羊毛 / 防編加工 / 酵素処理 / パルスコロナ処理 / ケラチナーゼ / ハロゲンフリープロセス / プロテアーゼ / ウオッシャブルウール / 防縮加工 / 防縮性 |
Research Abstract |
塩素系薬剤によるAOX(吸収性有機ハロゲン化合物)が世界的に問題になってきており、その対応策が急がれている。塩素系のパークロロエチレンを使用するドライクリーニングがクローズアップされてきており、代替品の探索がドイツを中心にして行われているが、今だ良好な薬剤が見つかっていないのが現状である。そこで、パークロロエチレンを用いないで、水洗濯できるウオッシャブルウールの開発研究が各国で行われている。本研究においては、羊毛の防縮加工をパルスコロナと酵素で行うことを試みた。まず、パルスコロナ単独処理を試みたが、実用に耐えるような十分な防縮性は得られなかった。つぎに、酵素単独処理を試みたが、この場合には十分な防縮性は得られるが、強度低下が大きく実用的でなかった。そこで、パルスコロナと酵素の併用処理を行った。酵素としてはプロテアーゼ、ケラチナーゼ粗酵素、および精製ケラチナーゼについて検討した。その結果、プロテアーゼでは防縮性は得られるものの、強度低下が大きかった。ケラチナーゼ粗酵素では強度低下はかなり押さえることができたが、さらに精製ケラチナーゼでは、防縮性は良好で、強度低下も小さく、十分に実用に耐える防縮加工を達成することができた。また風合いをKES法で測定した結果、未処理羊毛と比べてハリ、コシ、シャリ、フクラミはほとんど変わらなかった。電子顕微鏡観察の結果から、羊毛表面の部分的な損傷とフィブリル化の発生が見られず、環境型SEMを用いて、ウエット状態で表面観察したところ、スケールの開きはかなり押さえられていることもわかった。本法は、現時点では世界的にみて最高の処理法であると思われるが、パルスコロナ処理と酵素処理の二段階処理であるため、現場における複雑さと経済性において改良の余地があり、今後の継続した研究が必要である。現在日本特許出願中であり、また米国とEPの国際特許も出願申請した。
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