光合成生物の塩ストレス防御に対するNa^+/H^+アンチポーター遺伝子の役割
Project/Area Number |
02F00198
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WADITEE Rungaroon 名城大学, 総合研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 塩ストレス / Na^+ / H^+アンチポーター / 対塩性植物 / 食糧 / 環境 / 植物バイオ / 砂漠の緑化 / 遺伝子工学 / 耐塩性植物 |
Research Abstract |
植物のNa^+/H^+アンチポーターは、ナトリウムイオンの細胞外への排出および液泡への蓄積、細胞内pHおよび体積の調節など植物生理学的に極めて重要な役割を果たしていると考えられているが、その分子的性質の解明が望まれている。本申請課題では、植物・ラン藻のアンチポーターが、1)どのような膜スパン(トポロジー)構造をとっているか、2)輸送するイオンは何か、3)イオン輸送に関わるアミノ酸の特徴は何か、を分子レベルで明らかにする。同時に、4)アンチポーター遺伝子を導入した植物、ラン藻を作出し、耐塩性植物の開発を目指して研究を行なった。.その結果、次のような成果を得た。 1)耐塩性ラン藻のNhaP型アンチポーターApNhaP1を淡永性ラン藻で輝剰発現すると、淡水性ラン藻が海水で生育することを明らかにした。(Waditee et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2002)。 2)ゲノム解析の結果、ラン藻には1個のCa^<2+>/H^+アンチポーター遺伝子をもっていることが予想された。Ca^<2+>/H^+アンチポーター遺伝子を耐塩性ラン藻から単離し、その性質を検討した結果Ca^<2+>/H+アンチポーターはアルカリ性のpHで塩濃度が高いときに重要な役割を果たすことを明らかにした(Waditee et al.,J.Biol.Chem.,2004)。 3)ゲノム解析の結果、ラン藻には2個のNhaP型Na^+/H^+アンチポーターと3個のNapA型Na^+/H^+アンチポーター遺伝子が存在することが明かとなった。NapA型アンチポーターは植物、動物、バクテリアで機能に不明な点が多いので、NapA型アンチポーター遺伝子を耐塩性ラン藻から単離し、その性質を検討した。研究は順調に進行し、投稿準備中である。 4)耐塩性ラン藻に存在するもう一つのNhaP型アンチポーター遺伝子ApNhaP2を単離し、そのイオン輸送活性、構造、生理的役割について検討した。これについても、研究は順調に進行し、投稿準備中である。 5)植物(アラピドプシス)の細胞質膜には多数のNapA型アンチポーター遺伝子が存在するが、それぞれのアンチポーターの役割を明らかにするために、RTPCRで単離し、膜スパン(トポロジー)構造、輸送するイオンにういて検討をを検討した。研究は順調に進行し、投稿準備中である。。 6)これらの遺伝子のいくつかを植物に導入した形質転換植物の作出を進めている。 7)これら成果の一部については、高倍(2件)、waditee(2件)がイギリ、オックスフォーで開催された会議、およびハワイで開催されて国際会議で発表した。 このように、本研究課題は順調に進行している。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)