ホウ素化合物を利用した環境に負荷の低い木材保存システムの開発
Project/Area Number |
02F00222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
林産学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARTAL Nami Saip 京都大学, 木質科学研究所, 外国人特別研究員
KARTAL Nami S. 京都大学, 木質科学研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | ホウ素 / 木材保存 / シロアリ / 腐朽菌 / CCA / 解体材 / 薬剤無毒化 / 耐久性 |
Research Abstract |
ホウ素系の化合物は毒性が低く、環境にやさしい薬剤として世界的に期待されているが、木材に注入した後、雨水などによって溶出することが問題であった。われわれは、PVAなどのバイオアクティブ・ポリマーならびにNHAなどの固定化溶液を使用し、木材中にホウ素系化合物を固定する手法を開発するとともに、溶出性の評価および腐朽菌やシロアリに対する効力を評価してきた。この結果、アミン化合物のNHAがホウ素化合物と結合し、ホウ素の固定と腐朽菌やシロアリに対する効力を飛躍的に増大させることを発見した。さらに、allyl glycidyl etherとmethyl methacrylateを同時に重合させることによって、ホウ素化合物の溶脱性を抑止するとともに、寸法安定性を向上させるなど、いわゆる化学修飾木材としての機能を付与することに成功した。この成果は、国際学術雑誌に発表した。今後、これを実用化技術に展開するためには、処理法や評価法について効率性の視点から研究を行い、システムとして確立する必要がある。 さらにこれらの研究の過程で、代表的な木材汚染菌であるAspergillus nigerが木材防腐剤であるCCA(銅・クロム・ヒ素)薬剤を分解することを見いだした。毒性の高いCCA薬剤は、現在ではほとんど使用されていないが、過去に生産された処理木材が今後解体材として多量に排出されることが予測され、今後安全に廃棄する方法が強く求められているものである。われわれの見つけたCCAの無毒化法は、菌の代謝によって生成する有機酸、特にシュウ酸を利用し、金属塩を可溶性の錯体に変換し取り除くことにある。さらにEDTAなどの錯体形成剤との併用により抽出能力を飛躍的に高め得ることを明らかにした。今後より高い抽出能力をもつ菌類の探索とそのメカニズムの解明、さらに有害金属の抽出システムの確立が不可欠である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)