炎症組織及び固形腫瘍における血管新生のケミカルメディエーターによる制御
Project/Area Number |
02F00264
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 和雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH Ajoy Kumar 東北大学, 大学院・薬学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 固形癌 / 血管新生 / 血管内皮増殖因子 / ヒスタミン / インターフェロン-γ / ヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウス / H1受容体欠損マウス / H2受容体欠損マウス / ヒスチジン脱炭酸酵素 / 増殖型炎症モデル / マクロファージ / angiopoietin-1 |
Research Abstract |
Fibrosarcoma Meth A細胞をアガロース及びパラフィンオイルで被い、マウス背部皮下に移植すると、単にMeth A細胞を移植した場合に比べてインターフェロン-γ及び腫瘍壊死因子の産生が減弱し、Meth A細胞に対する免疫応答が抑制されることが示唆された。アガロース及びパラフィンオイルで被ったMeth A細胞をヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウス、H_2受容体欠損マウス、H_1受容体欠損マウスおよびそれぞれに対応する遺伝子背景を持つ野生型マウスの背部皮下に移植したところ、7日後の固形癌の形成はヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウス及びH_2受容体欠損マウスで減弱することが明らかになった。したがって、ヒスタミンのH_2受容体を介した作用が固形癌の進展に関与していることが示唆された。各マウス間で、インターフェロン-γの産生量に大きな差はなく、この固形癌形成の減弱は、ヒスタミンあるいはH_2受容体が存在しないことにより免疫増強が生じたためではないと考えられる。固形腫瘍中のヘモグロビン量及びVEGF量を測定したところ、ヒスチジン脱炭酸酵素欠損マウス及びH_2受容体欠損マウスにおいて低下が見られた。さらにH_2拮抗薬であるシメチジンはVEGF量を低下させ、固形癌の形成を減弱させた。以上の結果から、固形癌の形成期においてヒスタミンは、H_2受容体を介して、癌細胞に対する免疫応答を調節するだけでなく、癌形成に必要な血管新生にも関与していることが示唆された。以上の結果から、ヒスタミンは増殖型炎症における肉芽形成だけでなく癌形成における血管新生にも関与していることが明らかになり、ヒスタミンH_2拮抗薬を用いて血管新生を抑制する新しい治療法の可能性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Ghosh, A.K., Hirasawa, N., Le, Y.S., Kim, Y.S., Shin, K.H., Ohuchi, K.: "Inhibition by Acharan sulfate of angiogenesis in experimental inflammation models"Br.J.Pharmacol.. 137. 441-448 (2002)