金属内包フラーレン/ナノチューブの構造と電子物性の研究
Project/Area Number |
02F00355
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠原 久典 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN Baoyun 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 金属内包フラーレン / ユーロピウム内包フラーレン / 多段階高速液体クロマトグラフィー / アーク放電法 / 電子エネルギー損失分光 / 価数 / ピーポッド / 金属内包フラーレン・ピーポッド / テルビウム金属内包フラーレン / ユーロピウム金属内包フラーレン / 単層カーボンナノチューブ / 電子状態 / 異性体 / 13C-NMR / HPLC |
Research Abstract |
金属内包フラーレンの多量生成には、本研究グループが独自に開発した、嫌気下回収大型アーク放電装置を用いて、エルビウムとユーロピウムを内包したフラーレンを多量に生成した。特に特記すべき結果は、Eu@C74からEu@C90までのC2おきのすべてのユーロピウム金属内包フラーレンの生成と単離に世界に先駆けて成功したことである。それは、当初の研究目的を十二分に達成している。これらの成功は、高速液体クロマトグラフィーの分離手段の開発によるところが大きい。 一般にユーロピウム金属内包フラーレンはその生成量が少ないため、現在までに構造や物性の評価はほとんどされていない。本研究では、ユーロピウム内包フラーレンの生成量を向上させるためにNiを補助触媒として用いて、従来の数倍の生成効率を得ることに成功した。 現在までの研究でユーロピウム内包フラーレンでは吸収スペクトルの類似性から、内包されたユーロピウム原子は2価をとることが予想されている。今回、in situ EELS(電子エネルギー損失分光)によって、生成・単離されたEu@C74からEu@C90までのユーロピウム内包フラーレンのユーロピウム原子は2価を取っていることを直接、証明することに成功した。バルク化合物ではユーロピウム原子は3価をとることと対比すると極めて興味深い。 さらに、本研究では、Eu@C82金属内包フラーレンを内包した単層カーボンナノチューブ(SWNT:通称、ピーポッド),(Eu@C82)n@SWNT,の合成にも世界に先駆けて成功した。高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)観察によって、Eu原子を室温で直接イメージすることに成功した。また、ユーロピウム・ピーポッドはガドリニウム・ピーポッドと比較して、原子のフラーレン中での静止度は低いことが解明された。 本研究によって、金属炭素ナノ集合体がもつ新規な構造特性および特異な物性が解明され、今まで未知の分野であったクラスター科学と物質科学のフロンテイアが切り開かれたと思う。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)