Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
還元系酵素反応で最も重要な役割を担っているヒドロゲナーゼには,[Ni-Fe]型酵素と[Fe-only]型酵素とがあり,本研究ではその活性部位構造構築の人工構築と水素分子活性化反応などの酵素機能の解明を目的とする。特に、合成が困難とされている鉄/ニッケル複核型モデル錯体の創製をすすめ,[Ni-Fe]型ヒドロゲナーゼ活性部位の幾何構造に迫ることをめざし,本年度は構成単位となる鉄錯体とニッケルを合成した。また若干の複核化反応も試みた。 具体的には,カルボニルとシアノ基を合わせ持つ鉄錯体,(PPh_4)[Fe(CO)_4(CN)],(PPh_4)[Fe(CO)_3(CN)_2(SR)],(PPh_4)[Fe(CO)_3(CN)_2Br],Na[Fe(CO)_3(CN)_2Br]を合成した。また,ニッケルチオラート錯体として,(PPh_4)_2[Ni(SPh)_4],(NEt_4)_2[Ni(SPh)_4],Li_2[Ni(ndt)_2],Na_2[Ni(ndt)_2](ndt=ノルボルナンジチオラート)の合成にも成功した。これらの鉄錯体とニッケル錯体との反応を検討中である。特に,Na[Fe(CO)_3(CN)_2Br]とLi_2[Ni(ndt)_2]との反応を行い,得られた化合物をPPh_4Brを用いて陽イオン交換することによって目的とする(PPh_4)_2[(CO)_2(CN)_2Fe(μ-ndt)Ni(ndt)]の生成がイオンスプレーマス分析によって確認された。現在結晶化を行っており,構造決定が待たれる。溶液中のイオンスプレーマス分析および固体での蛍光X線マイクロ分析ではほぼ100%純粋な鉄/ニッケル複核錯体が得られているが,溶液中では低温でも徐々に分解するようで,現在結晶化の最適条件を見出すべく努力している。
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