Project/Area Number |
02F00379
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Shinshu University (2003) Gifu University (2002) |
Principal Investigator |
金 継業 信州大学, 理学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 秀き(Zhang Xiu Qi) 信州大学, 理学部, 外国人特別研究員
張 秀き 岐阜大学, 機器分析センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超音波 / 電気化学 / 超微小電極 / ウェーブレット変化 / キャビテーション / 微小電極 / ボルタンメトリー |
Research Abstract |
ソノケミカル反応機構をより詳しく解明するため,反応場中のキャビテーションの活性、分布,個々のキャビテーションの生起とそれらに伴い化学反応の定量的な解析が不可欠となる。本研究では、電気化学測定とウェーブレット変換の手法を併用して、超音波電気化学反応のキャラクタリゼーションを中心とした研究が進められている。 1)超微小電極による超音波反応場の解析 キャビテーションバブルサイズと同程度の径7μm超微小電極を用いたソノエレクトロケミストリー(Sonoelectrochemistry)計測システムの構築を行った。それにより、個々の独立したキャビテーションイベントに由来するTransient電流を実測することができ、反応場におけるキャビテーションの寿命は約数十マイクロ秒オーダーであることが分かった。キャビテーションの生成は物理と化学的過程を含む複雑現象である。その過程におけるノイズの発生は最近注目されている。超微小電極はpA〜nAの極小電流を測定しているため,ノイズ成分を容易に計測できる。超音波の刺激がある場合、電極反応に伴ってある特定周波数を有するノイズの発生という現象が見出されていた。メカニズムについてまだ不明な点が多いが、将来"電位-周波数領域"での新しい電気化学計測アプローチとして期待されている。 2)ウェーブレット変化を用いたパルス超音波ボルタンメトリーへの展開 研究の第二段階では、コンピュータ制御により超音波を変調し,ウェーブレット変換(Wavelet Transform)の手法によりパルスボルタモグラムの交流信号と直流信号をそれぞれ分離して計測できる新規電気化学測定法の開発が試みられていた。超音波変調したボルタモグラムは物質移動に関連した電流と物質移動に関係しない表面過程のみに寄与する電流を分離できるため,極めて低濃度の物質の測定が可能になる。これは,特に過酸化水素やアスコルビン酸のような可逆性の悪い物質に対して通常の方法より感度が1桁以上優れていることを明らかにした。 3)ウェーブレット微分により電気化学の信号処理 ウェーブレット微分は通常の微分処理に比べてS/N比(signal-to-noise ratio)を犠牲にせず、オーバーラップした電気化学シグナルの分離に特に有用であることを明らかにした。それを用いた第二高調波交流ボルタンメトリーにより、半波電位の極めて近いIn^<3+>やCd^<2+>などの金属イオンを同時に定量することができた。この手法は、大量アスコルビン酸共存下でのドーパミンの定量も可能であり、ニューロサイエンスへ利用できることが示唆されている。 以上の研究成果を国内学会と国際会議にてそれぞれ発表され、学術論文として2編が採用され、1つは投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)