Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
カリックス[4]アレーンに比べてより大きな疎水的空洞を有するフェノール環6枚により構成されるカリックス[6]アレーンを用い,その1,3,5位下部リムをジフェニルホスフィノメチレン基などで修飾したホスフィン配位子の合成を行った。これら得られたホスフィン配位子の構造は^1H-,^<13>C-,^<31>P-NMR,FD-マススペクトル,元素分析ならびにX線構造解析で同定を行い,カリックスアレーン部位がpinched-cone配座を有していることを明らかにした。さらに,これらの配位子の遷移金属中心への挙動を検討した。その結果,9族遷移金属と反応させたところ,3つの金属中心に2つの配位子が配位した,極めて大きなキャビティを有する錯体の単離に成功した。これらの錯体の溶液中での挙動については温度可変NMR測定により検討を行った。その結果,これらの錯体が,溶液中で極めて柔軟性に富んだ構造を有しており,その挙動は用いる溶媒分子の影響を極めて強く受けることが明らかとなった。またこの錯体の単結晶を得ることにも成功し,X線結晶構造解析を行い,キャビティ内に溶媒分子が取り込まれている構造を明らかにした。 さらに,カリックス[6]アレーン部位にリン元素を1つ導入した新規配位子の合成にも成功した。これらの配位子を用い,ロジウム錯体存在下において,種々の基質のヒドロホルミル化反応を行った。その結果,このカリックスアレン部位を有する新規遷移金属錯体がこれらの反応において,極めて高い触媒活性を有することを見出した。
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