担子菌の子実体形成に関わる酵素とその遺伝子の発現と制御
Project/Area Number |
02F00515
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
林産学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鮫島 正浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 ちょん俊 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
YOON Jeong?Jun 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | オオウズラタケ / 子実体 / 褐色腐朽菌 / endo-glucanase / cellobiohydrolase / 静置培養 / cellobiose hydrase / manganese peroxydase / Endoglucanase |
Research Abstract |
担子菌の培養系としては、木粉を用いた固体培養が一般的であるが、木粉培養系は、担子菌の酵素学的実験を行う際に、困難な点が多い。このような問題を解決するために、以前の研究により、グルコースを炭素源としてオオウズラタケの子実体形成の液体培養系を確立した。より自然界に近い培養系、すなわちセルロースやセロビオースのような単糖以外の炭素源を含む培地において本菌の子実体形成を試した結果、特に、0.2%のセロビオースを含んでいるセルロース固体培養系においては、グルコースのみを炭素源にした液体培養系より早い菌体生育が観察され、また、子実体においても約1.5倍以上早い培養期間で形成されることが確認された。本研究において確立したセルロース固体培養系を用いて、菌体内に糖が吸収されるメカニズムを解明するために、菌体外酵素の変動を調べ、菌体の生育と伴って酵素の発現を調べた。オオウズラタケを1.5%の固体セルロースを含むWood培地に接種し、26.5℃で静置培養した後、培養14日日の菌体外液を限外ろ過して粗酵素液を得た。得られた粗酵素液をSDS-PAGEに供した結果、30kDaおよび37kDa付近に2つの主要なバンドが確認された。同様の実験を1.5%の固体セルロースに0.15%のセロビオースを添加した培養系について行ったところ、生育が著しく向上され、さらに上述の二つのタンパク質に加えて、セロビオースの添加によって特異的に誘導される70kDaのタンパク質が存在することが明らかになった。このタンパク質をカラムクロマトグラフィーによって精製し、様々なセルラーゼ活性を測定したが、活性を検出することはできなかった。したがって、セルラーゼ以外のタンパク質がセロビオースによって誘導されることが明らかとなった。また、30kDa及び37kDaのタンパク質は、色素結合型ヒドロキシエチルセルロースを分解したことから、エンドグルカナーゼであると考えられた。現在、これらの主要タンパク質の同定を行うために精製を行い、諸性質について検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)
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[Publications] 芦谷竜矢, 江口文陽, 大賀祥治, 水邦義, 申 有秀, 寺嶋芳江, 福田正樹, 馬替由美, 宮澤紀子, 本田与一, 尹 ちょん俊: "キノコ学への誘い(編著者 大賀祥治)"海清社. 160 (2004)