Project/Area Number |
02F00535
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GU YanHong 帝京大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 遺伝代謝病 / Wilson disease / Copper / Mutation / Polymorphism / Genotype / Phenotype / ATP7B / 銅 / Wilson病 / 遺伝子解析 / 診断 / 治療 / 予後 |
Research Abstract |
ウィルソン病は常染色体劣性遺伝の銅代謝異常症である。発病率は35,000人に1人、保因者は約90人に1人で、諸外国の発症率は同じである。欧米ではH1069Q変異、日本と韓国ではR778L変異が多いと報告されている。しかし、中国の患者に関する遺伝子解析、genotypeとphenotypeの分析の報告は少ない。本研究は中国のウィルソン病患者の遺伝子変異を明らかにし、更にgenotypeとphenotypeの関連について調べることを目的とした。 【対象および方法】中国人医師の協力を得て、50人のコントロールと40人の患者からゲノムDNAを抽出した。また、10人の日本人患者からゲノムDNAを抽出した。ATP7B遺伝子のすべてのエクソンをPCRで増幅し、direct sequencing法で塩基配列を調べた。今までに報告された中国語、日本語と英語の文献を調べ、本研究の患者を含めてR778Lのhomozygotesとheterozygotesのデータをまとめて、統計分析をした。 【結果および考察】40人の中国人ウィルソン病患者の遺伝子解析結果では、主な変異はR778Lで、55%の患者は少なくとも1つのアレルにR778L変異を示した。また、28種類の変異は同定され、そのうち新たな変異は19種類であった。変異の検出率は83.8%であった。同時に17の遺伝子多型も同定した。10人の日本人患者の20本アレルにおいて、4アレルはR778L変異であり、計15種類の変異が同定された。遺伝子変異の検出率は75%であった。また、今回変異が同定されなかった例では遺伝子のプロモーター領域或いはイントロンに変異が存在する可能性が示唆された。以上の結果からウィルソン病の遺伝子解析は診断と遺伝カウセリングに有用と考えられた。 本研究のR778Lのhomozygotesとheterozygotes群において、発病年齢、肝型と神経型の割合の差はそれぞれみられなかった。従って、ウィルソン病のphenotypeには遺伝子だけではなく飲食中の銅含有量や環境の因子もかかわっていると考えられる。
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