悪性腫瘍で高発現しているWT1に対する細胞性および液性免疫反応の解析―特に癌ワクチンの開発に向けて-
Project/Area Number |
02F00538
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OLGA ELISSEEVA 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
ELISSEEVA Olga 大阪大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | WT1 / 悪性腫瘍 / 癌ワクチン / ウィルムス腫瘍遺伝子 / 白血病 / 免疫療法 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群(MDS)などの血液悪性疾患の患者の約78%は、WT1タンパクに対する抗体をもっており、MDSでは、病態がRAからRAEB、RAEB-tと進行するにつれて、IgM→IgGとWT1抗体のクラススイッチがおこり、これらの患者では、WT1タンパク特異的ヘルパーT細胞が誘導されていることが明らかになった。また、急性骨髄性白血病の患者では、完全寛解に入ると、それまで存在していたIgM型やIgG型のWT1抗体が消失する。このことは、患者体内の白血病細胞のもつWT1タンパクが免疫系を刺激して、WT1抗体を産生させていたことを示唆している。現在、このIgG型WT1抗体のアイソタイプを詳細に解析しているが、preliminaryなデータでは、Th1ドミナントな液性免疫応答が起こっていると考えられる。一方、WT1特異的細胞傷害性T細胞(CTL)は、MDSの2例では、WT1ペプチドの投与前にすでに増加しており、WT1タンパクは、immunogenicで、患者体内で、自身の癌のWT1タンパクに反応して、WT1特異的CTLが誘導されていることが明らかになった。以上のデータは、WT1タンパクは、非常に免疫原性が強く、悪性腫瘍をもった患者では,WT1タンパクに対する液性免疫応答と細胞性免疫応答の両者が起こっていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)