MgB_2および他の新奇超伝導体における磁束状態の研究
Project/Area Number |
02F00652
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
為ヶ井 強 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH Ajay Kumar 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 異方的超伝導体 / GaAlSi / MgB_2 / 上部臨界磁場 |
Research Abstract |
2001年初頭に発見されたMgB_2および、これと同じ結晶構造(AlB_2構造)をもつ層状金属間化合物における磁束状態の研究を行った。 MgB_2に関しては、高圧合成により作製した単結晶および高密度焼結体における磁場下での磁化の温度依存性の測定から、異方的な上部臨界磁場の測定に成功した。この結果、MgB_2は超伝導転移温度直下で約3倍の異方性をもち、温度の低下とともに異方性が増大する。また、低温における様々な磁場角度における測定から決定した上部臨界磁場の角度依存性は、異方的GLモデルによりよく説明された。一方、超伝導面内の上部臨界磁場の測定にも初めて測定し、六方晶の結晶構造から予想される6回対象の成分は1%よりも遥かに小さいことを明らかにした。 CaAlSiは一般式A(M_<1-x>Si_x)_2(A:アルカリ土類元素、M:Al、Ga)をもつ一群の金属間化合物に属し、常圧下で合成されるものとしては最高の超伝導転移温度(T_c=7.8K)をもつ。我々はCaAlSiの単結晶成長に世界で初めて成功し、MgB_2と同様の異方的超伝導特性の測定を行った。電気抵抗の異方性は室温において4-5で、面内の抵抗率は低温で10μΩcmである。単結晶では超伝導転移温度が6Kのものと8Kのものが存在する。化学分析によるとどちらも組成比はほぼ1:1:1であり、なぜこの違いが出るのかについては明らかではない。ただし、透過形電子顕微鏡による観察からC軸方向に超格子が存在することが明らかとなり、T_cに応じてそれぞれ6Kの試料は5倍、8Kの試料は6倍の周期を持っている。超伝導状態における異方性は上部臨界磁場で見る限り2倍であり、抵抗の異方性とほぼコンシステントである。しかし、上部臨界磁場の角度依存性は大変異常である。すなわち、磁場が超伝導面に平行な付近でカスプ状の角度依存性を示す。興味あることに、この角度依存性はTinkhamにより見いだされた薄膜超伝導体における式で、正確にフィットされる。もちろん、単結晶に薄膜の式が適応されるのは物理的ではないが、単結晶が実効的に2次元超伝導体を積み重ねたものとなっている場合には、このようなことが正当化されるかもしれない。この意味で、前述の超格子の存在が重要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)