Project/Area Number |
02F00707
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
阿部 和雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOPPENBURG Patrick Stefan 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ペンギンダイヤグラム / CP非保存 / 荷電粒子軌跡 |
Research Abstract |
多様なB^0中間子崩壊過程のうち、量子力学的効果であるループダイヤグラムが寄与する現象の精密観測は標準模型を越える新しい物理の探求にとって特に重要である。クォークレベルで電磁ペンギンと呼ばれるb→sγが寄与するものと、電弱ペンギンと呼ばれるb→sl^+l^-が寄与するものについて、崩壊分岐比を精密に測定して、さらにCP対称性の破れの有無を観測することによって、そこに寄与する可能性のある新現象を探索するのが本研究の目的である。この目的を達成するには、荷電粒子軌跡検出の効率の不定性を正確に知り、さらに電磁カロリメータによる光子測定に含まれるバックグラウンド量の評価が重要である。 14年度の3分の2は、荷電粒子軌跡検出効率の詳細な評価に費された。D^<*+>→D^0π^+,D^0→K_Sπ^+π^-,K_S→π^π^-の崩壊連鎖を使い、K_Sからのひとつの荷電パイ粒子の運動量を特定しておいて、実際の観測量と比較するという新しい方法で行った。この結果、これまで2%だった検出効率の不定性を1%まで小さくすることに成功した。この結果は本研究だけでなく他のデータ解析に与える影響も大きい。さらに14年度の後半および15年度の前半3分の1を費して光子測定精度の問題に取り組んだ。実験データの中のいくつかのサンプルとそれに対応するシミュレーションデータを詳細に比較することによって、光子として測定された事象が実際には別のものである確率を精度良く決めることができた。 上のふたつの重要な技術的課題が解決した上ででb→sγに起因する光子のエネルギー分布の測定を始めた。これにはいくつかの方法があるが、ここでは理論予想と比較する上で最も適している方法を用いた。出来うるかぎり光子だけを測定して、その他の情報によらないで崩壊分岐比を決める方法で、実験的には最も難しい方法である。この過程で本研究のもともとの課題のひとつである、CP比保存の探求の部分は追求せず、b→sγの測定ひ専念することにし、15年11月に完成した。結果は現在世界で最も精度の良い測定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)