ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ阻害剤ワートマンニンの触媒的不斉合成
Project/Area Number |
02F00759
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 正勝 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JACHMANN Markus 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ワートマンニン / PI-3キナーゼ阻害剤 / 触媒的不斉合成 / フェニルアラニン / 分子内アルドール反応 / 添加剤 / 無溶媒反応 / 有機分子触媒 |
Research Abstract |
ワートマンニンの触媒的不斉合成を目指し,新規有機分子触媒による触媒的不斉分子内アルドール縮合によるワートマンニンCD環構築の検討を行なった。はじめに市販の様々なアミノ酸およびその類縁体を等量用いた検討の結果,フェニルアラニンが収率,不斉収率共に良好な結果を与えることが分った。続いて詳細な反応条件の検討により,反応温度を80℃,触媒としてフェニルアラニン、添加剤としてピリジニウムトルエンスルフォネートを用いることで収率,不斉収率共に向上し、興味深いことに、反応溶液の濃度を上げるにつれ、収率、不斉収率が更に向上することが見出された。そして、溶媒としてジメチルスルフィドを1等量のみ添加するという、ほとんど無溶媒に近い条件でも、更に反応性、不斉収率の向上が見られた。そして次に、同様の反応条件で30mol%のフェニルアラニンを用いた検討の結果、4時間後に原料が消失し、目的物を収率68%、不斉収率77%にて得ることに成功した。さらに、反応温度を60℃とすることで、収率の若干の低下が見られたものの、不斉収率91%にて目的物を得ることに成功した。これらの結果は、ワートマンニンの触媒的不斉全合成を現実的なものとするとともに、私の知る限り側鎖を有する基質を用いた、初の触媒的不斉反応の成功例である。かつ、無溶媒という反応条件に関してはすでに報告例があるものの、反応濃度を上げるにつれ反応性とともに選択性も向上するという知見は、反応開発におけるアトムエコノミーの観点からも非常に興味深いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)