高温極限環境から地下圏への分子微生物生態学的アプローチ
Project/Area Number |
02F00791
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 憲二 静岡大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WELIKALA Nihal 静岡大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 地下圏 / 微生物 / 遺伝子解析 / 多様性 / 群集構造 / 掘削コア / 微生物フロラ / PCR / DNA解析 / 還元環境 / 妨害物質 / 潜在的活性 |
Research Abstract |
Nihal Welikala博士は、2002年11月の来日以来、堆積物層に形成された浅い帯水層をターゲットに、地下圏微生物の群集構造を遺伝子解析法により明らかにすることに取り組んできた。還元的で、鉄などの妨害物質を多量に含む掘削コアからの遺伝子抽出は容易ではなかったが、ほぼ1年間にわたる試行錯誤の結果、信頼に足る量の遺伝子抽出に成功した。2003年8月に掘削によって得られたコアを対象に、明瞭な遺伝子についてクローニングを行った結果、100以上のクローン(細菌種)を得た。これらについてシークエンスによる遺伝子解析を継続しているが、現在までに以下にあげるような細菌種が確認された。 硫酸還元菌を含むデルタ・プロテオバクテリアの存在を示す遺伝子が2.1mと3.6mから検出された。とりわけ土壌層に近い2.1m層では多様な細菌種が存在するようである。より深部の6.1mからは、深部地下圏から見いだされる細菌や、深海底の熱水噴出孔から見いだされている細菌に類縁の細菌種が存在する可能性を示した。これらのことから、地下圏微生物の多様性と、その全母集団の一様性(全母集団が無限の広がりを持つものではない可能性)を示唆するものと考えられる非常に興味深い知見を得つつある。環境データと対応した堆積物環境中の細菌群集に関するデータとしてはきわめて貴重で、嚆矢野ひとつとなるものと考えられる。メタン生成細菌など古細菌(アーキア)の解析は異なったプライマーを用いて解析に着手している。 成果の一部はすでに日本微生物生態学会で報告した(Diversity of microbial community in a shallo subsurface environment Welikala et al.、第19回日本微生物生態学会 29-A-0,千里ライフサイエンスセンター、2003年10月27-29日)。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)