Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究は,「ナノリアクター」という特別研究員(研究分担者)独自の考え方と,受入研究者(研究代表者)が世界に先駆けて開発した「金属触媒リビング重合」を融合し,従来にない精密制御ラジカル重合を実現するものであり,とくに水中での精密重合に焦点を当てて,下記の諸点を明らかとした。 (1)水中でのミニエマルジョンの形成 種々のイオン性及び非イオン性界面活性化剤(乳化剤)を飽和炭化水素と併用し,モノマーと開始剤及び金属触媒を含む溶液を超音波照射すると,水中・室温で微小なミセル「ミニエマルジョン」が生成した。用いる乳化剤と飽和炭化水素,溶液の組成,超音波照射の強度と時間などを検討し,数ヶ月間安定なミニエマルジョンの生成最適条件を確立した。 (2)水中での乳化・ミニエマルジョン重合-リビングラジカル重合の実現 こうして生成したミニエマルジョンには,金属錯体などが内包されるため,これを「ミニリアクター」としてラジカル重合を検討した。メタクリル酸メチルなどのアクリル系モノマーやスチレン誘導体について,これらの条件でリビング重合(精密制御ラジカル重合)が進行し,水中に分散した微小ミセル内で分子量と分子量分布の制御されたポリマーが得られることを明らかとした。開始剤量の変化により分子量が制御されれ,金属触媒にはルテニウム錯体が有効であることもわかった。また,生成物は水中で1ヶ月以上安定なポリマーラテックスを形成した。 (3)ミニエマルジョン重合によるブロックポリマーの合成 上記のミニエマルジョンリビングラジカル重合を用いて,メタクリル酸メチルとそのほかのメタクリル酸エステルなどとのブロック共重合体の合成を検討した。最初にメタクリル酸メチルをリビング重合し,ついで2番目のモノマーを直接ミニエマルジョンに添加した。添加モノマーは一度目の重合と同様にほぼ定量的に重合し,分子量と構造の解析から,ミニエマルジョンにおいてもブロック重合が可能なことが明らかとなった。
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