核磁気共鳴を用いた高温超伝導体の渦系芯電子状態の研究
Project/Area Number |
02J00556
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角柳 孝輔 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 高温超伝導体 / 重い電子系超伝導体 / 渦糸電子状態 |
Research Abstract |
重い電子系物質は高温超伝導体と同じく電子相関が強い系として知られている。特に近年見つかった重い電子系超伝導体であるCeCoIn_5は量子臨界点近傍にある物質として興味をもたれていた。 渦糸コア部分は軌道電流の効果で超伝導秩序変数が抑制されている部分である。一方、高磁場超低温環境において常磁性効果のために超伝導秩序変数が空間的に変調するFFLO状態の存在が理論的に予測されていた。しかしながらこのFFLO状態は実際の系では見つかっていなかった。ところが最近の比熱などの測定からこのCeCoIn_5でFFLO相の可能性がある新しい超伝導相が見つかった。 渦糸状態と同じように超伝導秩序変数が空間的に変化する状態であるという観点からFFLO状態がCeCoIn_5で実現しているかどうかは非常に興味深い問題である。そこでCeCoIn_5の新しい超伝導相を微視的な観点から明らかにすべくNMRによる測定を行った。その結果新しい超伝導相に入ったところで^<115>Inスペクトラムに明らかな変化が観測され、このスペクトラムの変化がFFLO状態で実現する超伝導秩序変数の周期的変化で説明できることが分かった。これらの結果からCeCoIn_5の新しい超伝導相ではFFLO状態が実現していると考えられる。また^<115>Inスペクトラムの詳しい解析からFFLO相に入ってからは温度低下と共に徐々に超伝導秩序変数の空間変調周期が短くなっていることが分かった。 これらの結果はFFLO状態にともなう超伝導秩序変数が空間変化を微視的に捉えたものであり重要な結果である。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)