特異な空間トポロジーを持つ低次元導体の創製と、その新規量子現象の探索
Project/Area Number |
02J00588
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
常田 琢 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | トポロジカル結晶 / 電荷密度波 / ナノチューブ / 放射光X線構造解析 / 透過型電子顕微鏡 / X線 / トポロジカル物質 / 低次元導体 / 結晶成長 |
Research Abstract |
1.NbSe_3トポロジカル結晶 リング・メビウスの輪などの結晶形を持つNbSe_3トポロジカル物質は、直線結晶(ホイスカ)の弾性変形にその起源を持つ。よってこれらの結晶構造中にひずみや残留応力があると予測される。トポロジカル結晶の電子物性・特に電荷密度波(CDW)状態の特徴を理解するためには、構造解析を通じたひずみの定量的道程が必要であった。そこで我々は研究施設Spring-8において、放射光X線による構造解析を行った。各種のトポロジー(リング・8の字結晶・ホイスカ)・サイズを持つ試料を測定した結果、結晶ひずみにはトポロジーに依存した特徴があると分かった。特に、閉ループトポロジーに共通する特徴的ひずみは、結晶a軸についての圧縮であることが分かった。このことは、切断・開放したリング結晶では結晶a軸のひずみが緩和されていることからも裏付けられる。またひずみの量はリング結晶のほうが8の字よりも大きいことが明らかになった。 トポロジカル結晶のCDW転移温度には数Kの降下があり、その大きさはホイスカー>リング>8の字の順であるという現象がわかっていた。これは降下の原因をひずみに求める立場では説明がつかない。そこで8の字特有のひねり構造が原因となり、秩序構造にトポロジカル欠陥が生じることでCDWが不安定となる可能性を見出した。NbSe_3ホイスカにひねり変形を加えたものの転移温度を測定し、この説の検証を行った。 2.NbSe_2ナノチューブ 本年度の目標を、過去に作製に成功したNbSe_2ナノチューブ及びナノファイバーの超伝導・CDW転移を確認することに置いた。このため、3ヶ月間フィンランドのHelsinki University of Technology, Low Temperature Laboratoryに滞在し、ナノチューブ試料の取り扱い、マイクロ操作、電極作製技術の開発に従事した。特に重点的に研究したのは、TEM観察及び電子輸送実験を同時に行えるような試料作製プロセスである。これはナノサイズ試料の創製・物性測定を目指す本テーマには不可欠の技術である。 この滞在により、ナノ試料を有機溶剤中に分散させ、交流電気泳動を用いて基板上に単一のナノ結晶を吸着するという一連の手順を確立することができた。またTEM/輸送実験用の基盤として、SiO_2メンブレイン上にスリット+電極を作製した。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)