ALMA用ミリ波帯超広帯域超伝導受信器システムの開発
Project/Area Number |
02J00642
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
浅山 信一郎 大阪府立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 超伝導 / ミクサ / ミリ波 / 電磁界解析 |
Research Abstract |
本研究では、ALMA計画で使用するミリ波帯サイドバンド分離超伝導ミクサの開発を行なった。ALMA計画は、日米欧が共同でチリ・アンデスの標高5000mの高原に、アンテナ80台からなる巨大な干渉計を建設する計画である。 本研究では、従来まで解析が困難だった導波管内電極部のインピーダンスを電磁界解析を用いて求める手法を確立し、新たに超伝導素子及びミクサマウントを設計・製作した。その結果、100GHz帯でDSB雑音温度20K(量子限界の約4倍)とALMAのスペックに迫る性能の超伝導ミクサの開発に成功した。 上記の超伝導ミクサを用いてサイドバンド分離超伝導ミクサの開発を行なった。ALMA計画では、小型で機械式調整機構が不要な、導波管方式サイドバンド分離超伝導ミクサが求められている。このミクサは、位相差を利用して両サイドバンド(LSBおよびDSB)の信号を分離するため、機械式調整機構がないメリットを持つ。また位相分波器等を導波管部品で製作することで、受信機の小型化ができる。本研究では、サイドバンド分離超伝導ミクサの実現に必要な、位相分波器、及び局部発振信号結合器等の導波管部品の設計・製作を行ない、ALMAの要求を満たす導波管コンポーネントの製作に成功した。さらにALMAでの小型化、量産化の観点から、導波管コンポーネントとDSBミクサを一つのユニットに集積した導波管集積型サイドバンド分離超伝導ミクサの開発を行なった。受信機性能は、中間周波数帯:4-8GHz帯で、局部発振周波数90-115GHzにわたりシングル・サイドバンド(SSB)雑音温度60K以下、最小雑音温度50K(@100GHz)、サイドバンド分離比10dB以上を達成しており、同周波数帯のサイドバンド分離超伝導ミクサとしては世界最高の部類に属する。さらにこの集積型サイドバンド分離超伝導ミクサを電波望遠鏡に搭載し、天体からのスペクトル輝線の観測に成功した。同タイプの受信機での天体観測は、この観測が世界初である。 これらの成果を博士論文としてまとめ、大阪府立大学の理学博士を平成16年3月末で取得することになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)